道祖神の棲む森

「最果ての」という言葉がぴったりの山奥に家が6軒だけの村がある。その村の高台の森にひっそりと祀られている人形道祖神。境界に祀られるはずの道祖神だが、この場所は村の入口ではない。そこにはこの村のなりたちに関する深い訳があっ […]

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子供も楽しめる人形道祖神

秋田県内の人形道祖神リサーチには3歳になる娘も2回同行させました。その時に思ったのは「これは子供と一緒に楽しめる」ということです。さすがに数時間に及ぶ作り替えの時は途中で飽きてしまいましたが、インパクト抜群の人形神に「オ […]

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圧巻の衣替え~湯沢市岩崎

人形道祖神は年に一回や二回といったペースで定期的にメンテナンスをしているところが多いです。湯沢市岩崎にある末広町のカシマサマは毎年4月に衣替え。約40名の方々が手分けをして巨大なワラ人形を作り上げていく工程はまさに圧巻で […]

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石を人形に見立てた道祖神(1)

湯沢市の皆瀬川沿いの集落では自然石にワラで手足や衣装を着け境界に立てる風習があります。飯田集落では4カ所に「ニンギョサマ」という道祖神が祀られ、4月と9月に着せ替えを行っております。写真は下(シモ)のニンギョサマ(高さ1 […]

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ニンギョウまつりを訪ねる

大館市花矢地区(花岡、矢立)は人形道祖神の宝庫。田植え後の6月は道祖神の衣替えが各地で行われる季節。6月10日、二カ所の集落を取材しました。清水川では集落の2か所にニンギョウサマが男女一体づつ祀られています。集会所で作り […]

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石を人形に見立てた道祖神(2)

湯沢市の皆瀬川沿いによく見られる自然石にワラで手足や衣装を着けた人形道祖神。藤倉集落では3カ所に「ニンギョウサマ」という道祖神が祀られ、4月に着せ替え(厄神祭り)を行っております。写真は宇留倉トンネル近くの「峠のニンギョ […]

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仮面が生きている村々

大仙市の太田、中仙には村境や神社に木の面が祀られている場所がたくさんあります。これらの面は元々はワラ人形の道祖神に被されていたと思われ、ある時期から人形が作られなくなり面だけが祀られるようになったと思われます。ぞの理由を […]

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リンガとマスクとワラ人形

大仙市南外にある荒沢地区では、地区の北と南にそれぞれショウキサマが祀られております。北(男神)は木彫の男根数本と面が3つ、南(女神)にはワラ人形が祠の中に一体。3つの形態の道祖神が一つの地区で見られるのは非常に珍しいです […]

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本堂城回のショウキサマの作り替え取材

昨日は美郷町本堂城回の本堂城跡(秋田県指定史跡)にあるショウキサマの作り替え取材。こちらは私が小学生の頃に初めて見た道祖神(当時はお面だけ)。ずっと不思議に思っていたいくつかのことがようやく分かりました。本には間に合いま […]

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横手市大森末野のショウキサマを取材

7月1日、横手市大森末野にあるショウキサマの作り替えと鹿島流し行事を取材しました。朝8時から集落の入口にある大木に繋がれたショウキサマを解体して作り替え。お昼の直会(なおらい)を挟んで、夕方から子供たちが家々をめぐり鹿島 […]

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武将の名前が付けられた人形道祖神

人形道祖神の名称は「カシマサマ」、「ショウキサマ」、「ニンギョウサマ」などが代表的なところですが、大館市花矢地区には歴史上の武将の名前が付けられているユニークな例があります。松峯神社の三体は(向かって左から)弁慶、義経、 […]

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御返事(おっぺち)のカシマサママツリ

7月22日(日)湯沢市御返事のカシマサマの作り替えとお祭りを取材しました。男性たちが朝から新しいカシマサマを作り、午後集落の中心部にある庚申塔の場所に設置。夕方から若者たちがカシマサマを担いで練り歩き、集落に通じる道筋、 […]

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若畑のカシマサマ

湯沢市皆瀬の若畑は奥宮山の中腹にぽっかりと空いた盆地にある8軒の集落で、まさに「天上の農村」。村の入口にはワラの衣を着せた自然石(120cm)と70センチのワラ人形が、反対側の入口にも60センチほどのワラ人形が祀られてい […]

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御嶽堂のニンギョサマ

湯沢市三梨にある御嶽堂(みたけどう)集落。村の奥にある水神宮の登り口に高さ90センチほどの自然石に笠、腰蓑、男根をワラで装飾した道祖神が一体祀られています。これが御嶽堂のニンギョサマ。毎年11月、水神宮の冬囲いをする際に […]

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松原のニンニョサマ

大館市松原のニンニョサマ(ニオウサマとも)は体長約3メートル、県北では最大級のワラ人形道祖神です。現在、男女二体が山の麓に祀られていますが、かつて男のニンニョサマは反対側の川岸の入口に立てられていたとのこと。2年に一度の […]

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女神のカシマサマだけが祀られている村

横手市本城は下今泉と下堀の二つの町内に分かれており、下今泉地区ではカシマサマの作り替え(鹿島立て)を6月に、下堀地区では鹿島流しを7月に行います。下今泉のカシマサマはなんと女神様とのこと。東京でのトークイベントで人形道祖 […]

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羽場のカシマサマ

皆瀬ダムに囲まれた湯沢市羽場集落では村境の3カ所にカシマサマと呼ばれる人形道祖神が祀られております。自然石にワラで細工し人形に見立てた「皆瀬川タイプ」の道祖神です。春、夏、秋の年3回衣替えが行われております。(小松) 私 […]

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いなくなったショウキサマ

八峰町大信田は白神山地の山間にある集落で、菅江真澄の紀行記にも登場します。ここではかつて村の三カ所の入口にショウキサマ(ソキサマとも)という木とワラで作られた道祖神が一体ずつ立てられ、近年では一カ所にだけ立てられていまし […]

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若畑、秋の人形立て

11月3日、湯沢市皆瀬若畑のニンギョウサマ(カシマサマとも)の作り替えを取材いたしました。若畑では春、夏、秋の年三回「人形立て」という作り替えの行事があります。道祖神を通して、かつての山村の生活史が浮かび上がり、とても感 […]

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11.9はオニョサマ立て

11月9日は大仙市の中仙、太田の人形道祖神のお祭り「オニョサマ立て」を取材しました。「立て」と言っても人形を作り変えるわけではありません。集落の皆さんがオニョサマの前で念仏(百万遍)を唱える行事です。今回取材したのは中仙 […]

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ワラ人形からお面へ

『村を守る不思議な神様』の中で「鶴田のブルーザー・ブロディ」と紹介した大仙市鶴田のショウキサマが今年で見納めになりました。ワラを編める方が高齢化し、毎年作り替えることが困難になったためです。10月、ワラ人形からお面へと魂 […]

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松峰の人形様祭り

大館市松峰の稲荷神社(松峰神社里宮)には源義経、武蔵坊弁慶、那須与一という武将の名前が付けられたユニークな人形道祖神(人形様)が祀られています。11月24日は人形様のお祭り。午前中に人形の衣替えをし、夕方から若者が背負っ […]

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山田のジンジョサマ絵日記

先日大館市山田の人形道祖神・ジンジョサマを取材しました。町内に8か所、男女ペアで16体の神様がいらっしゃいます。今まで取材させていただいた中で一番エロティック。「みんなここから生まれてきたんだ」という言葉が印象的でした。 […]

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山田のジンジョ祭り(1)

12月2日、5日の両日、大館市山田の人形道祖神・ジンジョサマを取材しました。集落内の8つの常会(町内)にそれぞれ男女二体の人形神・ジンジョサマが祀られています。今回密着取材させていただいたのは赤坂常会。毎年、お祭りの日の […]

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山田のジンジョ祭り(2)

ジンジョ祭りは毎年旧暦10月末日の前日(今年は12月5日)に行われます。午後から宿の家(当番)に赤坂常会の皆さんが集まり、高砂を朗誦。その後、「八皿の儀」が執り行われます。この儀式は7月の盃に酒を注ぎ、さらに大きな盃にま […]

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山田のジンジョ祭り(3)

取材日:2018年12月5日宿(当番)の家を出た男女のジンジョサマは若い男性に担がれて町内を巡行します。隣の常会のジンジョサマと鉢合わせになると、互いの男女のジンジョサマをまるで交合させるようにぶつけ合います。赤坂常会で […]

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岩崎の初丑祭り

12月11日、湯沢市岩崎の初丑(はつうし)祭り(裸参り)に行ってきました。末広町と栄町のカシマサマのすぐ手前にある水神社に岩崎の6町内が恵比寿俵を奉納するお祭りです。さすがカシマサマの目の前で行われるお祭り、勇壮かつ重厚 […]

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森吉の泥塑天子を訪ねて

1802年12月、森吉山(現、北秋田市)を訪ねた菅江真澄は山麓の桐内村で二体の泥塑天子(道祖神)が雪の中に埋もれているのを見て驚いていた、と書いています。昭和62年、民俗学者の神野善治氏は桐内集落で真澄が記録した道祖神の […]

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