いよいよ発売まであと3日に迫った『村を守る不思議な神様・永久保存版』(KADOKAWA)。第9章は村の中を練り歩く人形道祖神の行事をテーマにした一章です。
昨年1月、横手市木下の「いきいきサロン」でスライドトークをやらせていただいた際(こちら)、「人形道祖神のメジャーリーガー」岩崎末広町のカシマサマづくりの達人・児玉東平さんも来場されました。木下の鹿嶋祭典でカシマサマが巡行する動画をご覧になり、「うちのカシマサマはずっと同じ場所に祀られているけど、木下のように『動く』というのもいいなあ」とおっしゃられていたのを印象深く覚えています。


人形道祖神の行事では、作り替えを終えた後に村を巡行する事例が少なくありません。村中の厄をはらってから元の祠に戻る、というケースが多いのですが、そのやり方は集落によって大きく異なります。地域の皆さんが大切に守ってこられた行事のことを「奇祭」と呼んでいいのか、と悩みましたが、個性的で驚きに満ちた道祖神の祭りを分かりやすく表現するにはこの言葉しかないと思い、使わせていただくことにしました。わら人形が生きているように「動く」事例を3つ紹介します。



◆存続が困難になる中「このまま変えずにやりたい」と言った男たちとは?
◆「神社に祀りなさい」カシマサマと共に生きたカリスマ女性
◆ガモで突く、それが厄払いになるんだ
私が人形道祖神の魅力にハマったのは、こうした行事を取材させていただいたことがきっかけでした。いつも静かに立っている道祖神が、年に一度まったく違う姿を見せる瞬間。まさに神と人とが一体となる日です。

新刊の概要はこちらから。
またご予約も承っております。→amazonページへ
◆目次
プロローグ ~わら人形を作りなさい
第1章 人形道祖神のメジャーリーガー(湯沢市)
第2章 江戸時代の旅人・菅江真澄が見た秘境の神様(大館市)
第3章 境界と道祖神(大館市)
第4章 男と女の神(大館市、能代市)
第5章 マタギ文化と道祖神(仙北市)
第6章 明治政府が消したかった古代信仰(大仙市)
第7章 山村に生きる(大仙市、湯沢市)
第8章 大きなカシマサマと小さなカシマサマ(横手市)
第9章 奇祭! 動き出すわら人形(横手市、湯沢市)
第10章 ナマハゲと道祖神(にかほ市)
第11章 幻の泥塑天子を探して(北秋田市)
エピローグ~復活と継承(大仙市)
◆アート
「新刊のご紹介 その3 ナマハゲ・アートが生まれるまで」
「新刊のご紹介 その6 マンガ「道祖神の成り立ち編」