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新刊のご紹介 その2「菅江真澄が見た秘境の神様」編

投稿者:小松 和彦 投稿者:小松 和彦 小松 和彦

 9月15日に発売される 秋田人形道祖神プロジェクトの新刊『村を守る不思議な神様・永久保存版』(KADOKAWA)。第2章は「江戸時代の旅人・菅江真澄が見た秘境の神様」です。

 この章で紹介する道祖神は大館市雪沢地区に点在するドジンサマ。『村を守る不思議な神様1』 でも二ツ屋のドジンサマが登場しましたが、新刊では小雪沢、新沢を取り上げます。 平安時代のスタイルで今も祀られ、江戸時代の旅人・菅江真澄も記録した道祖神を、夏に行われる「ドジン祭り」の際に取材。神秘のベールに包まれた神々の素顔に迫る一章です。

 ここで登場するドジンサマは小雪沢が男女一対の2体、新沢が男女が二組の計4体。体長は130~140センチほどで、岩崎のカシマサマなどに比べると迫力では劣りますが、ミステリアスな存在感では他に類を見ません。何と言っても今に生きる「古代の道祖神」なのです。この本を刊行することが決まった時、最初に思ったのは「ドジンサマの話は絶対に書きたい!」。

この章の見どころは

◆年に一度現れるドジンサマの素顔

◆ドジンサマの周りで起こった奇妙な出来事

◆わら人形の親子3人と2組の道祖神カップルが村を練り歩く行事

などなど。取材の様子はこれまでもブログでも紹介しておりましたが、本書ではたっぷりと大館市に伝えられた「古代の道祖神」の魅力をお伝えいたします。
代官山 蔦屋書店スライド&トークショー「秋田人形道祖神めぐりグレイテストヒッツ」内容のご紹介その2(2019)
小雪沢の木像道祖神を取材しました(2019)

新刊の概要はこちらから。
またご予約も承っております。→amazonページ

◆目次
プロローグ ~わら人形を作りなさい
第1章  人形道祖神のメジャーリーガー(湯沢市)
第2章  江戸時代の旅人・菅江真澄が見た秘境の神様(大館市)
第3章  境界と道祖神(大館市)
第4章  男と女の神(大館市、能代市)
第5章  マタギ文化と道祖神(仙北市)
第6章  明治政府が消したかった古代信仰(大仙市)
第7章  山村に生きる(大仙市、湯沢市)
第8章  大きなカシマサマと小さなカシマサマ(横手市)
第9章  奇祭! 動き出すわら人形(横手市、湯沢市)
第10章  ナマハゲと道祖神(にかほ市)
第11章  幻の泥塑天子を探して(北秋田市)
エピローグ~復活と継承(大仙市)

Writerこの記事を書いた人

投稿者:小松 和彦
郷土史研究 小松 和彦
工芸ギャラリー・小松クラフトスペース店主 『秋田県の遊廓跡を歩く』(カストリ出版)、 『新あきたよもやま』(秋田魁新聞デジタル版) などを執筆。 http://www.komatsucraft.com/ Twitter @Komatsucraft