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新刊のご紹介 その10「大きなカシマサマと 小さなカシマサマ」編

投稿者:小松 和彦 投稿者:小松 和彦 小松 和彦

村を守る不思議な神様・永久保存版』(KADOKAWA)第8章は秋田県を代表する人形道祖神の名称であるカシマサマ(鹿島様、鹿嶋様)について取り上げます。なぜ茨城県にある鹿島神宮の祭神が秋田の疫病退散の神様になったのか。そして「カシマサマ」の名の元に行われる2つの人形行事、その「微妙な関係性」を考察していきます。

この章に登場する道祖神は、このブログでもおなじみ末野のショウキサマ、そして中ノ又のカシマサマです。既刊の『村を守る不思議な神様』1冊目では「保呂羽山周辺の人形道祖神」として両者の観察と聞き取りを、 2冊目 では2018年に取材した末野のショウキサマの行事と鹿島流しを取り上げました。あれから3年、末野の行事には毎年、中ノ又には昨年取材させていただき、知識も経験も桁違いになったところで、満を持して書き上げた一章です。

末野のショウキサマ(2021年)
中ノ又のカシマサマ(2020)

前作から大きく変わったのは、何と言っても末野で鹿島人形コンテストが開催されることになったこと。このイベントにかけた熱きリーダーの思い、そして記念すべき第一回目のコンテストの様子も紹介します。

◆大きな人形祭りと小さな人形祭りが同日開催される奇跡の村

◆小さな人形から大きな人形へ、その理由とは?

◆カシマサマ作りのリーダーは若きイケメン男子

本章の中で少し触れた樽見内のカシマサマは、このすぐ後に登場する宮原さんのマンガで詳しく書かれております。その切り口の方法は独特。最後の1コマに「おお~」と唸りました。文章&イラスト→マンガの展開はこの新刊の大きな試みです。

新刊の概要はこちらから。
またご予約も承っております。→amazonページ

◆目次
プロローグ ~わら人形を作りなさい
第1章  人形道祖神のメジャーリーガー(湯沢市)
第2章  江戸時代の旅人・菅江真澄が見た秘境の神様(大館市)
第3章  境界と道祖神(大館市)
第4章  男と女の神(大館市、能代市)
第5章  マタギ文化と道祖神(仙北市)
第6章  明治政府が消したかった古代信仰(大仙市)
第7章  山村に生きる(大仙市、湯沢市)
第8章  大きなカシマサマと小さなカシマサマ(横手市)
第9章  奇祭! 動き出すわら人形(横手市、湯沢市)
第10章  ナマハゲと道祖神(にかほ市)
第11章  幻の泥塑天子を探して(北秋田市)
エピローグ~復活と継承(大仙市)
◆アート
新刊のご紹介 その3 ナマハゲ・アートが生まれるまで
新刊のご紹介 その6 マンガ「道祖神の成り立ち編

Writerこの記事を書いた人

投稿者:小松 和彦
郷土史研究 小松 和彦
工芸ギャラリー・小松クラフトスペース店主 『秋田県の遊廓跡を歩く』(カストリ出版)、 『新あきたよもやま』(秋田魁新聞デジタル版) などを執筆。 http://www.komatsucraft.com/ Twitter @Komatsucraft