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カシマサマが熱い!横手市十文字町木下にてスライド&トークショーを開催

投稿者:宮原 葉月 投稿者:宮原 葉月 宮原 葉月

年始のブログから少し間が空きました。その間、私たちは秋田県にかほ市の小正月行事を3日間かけてみっちり取材させていただき、一気に大量のインプットをしました。「人形道祖神」とは別の1冊を作れてしまうのではないか、と思うほどに興味深い取材でしたので、本題に入る前にちらっと近況報告を。

赤石の「アマハゲ」、 石名坂の「アマノハギ(ナマハゲ)」、横岡の「小屋立て」と「小屋焼き」、そして「鳥追い」を取材しました。横岡の鳥追いでは集落の60~70軒ほどを練り歩く行事に最後まで同行させていただきました。途中大雪が降ったりし、何度も気持ちが折れかかりましたが、小松さんの「最後まで同行したら何かが見えてきますから!(がんばりましょう)」という励ましで気力を取り戻しました。
確かに、大晦日の能代市「ナゴメハギ」の同行取材の経験があるので、途中大雪に見舞われようと「その先をみてみたい」という気持ちが自然と高まります。

そして、本題です。
1月19日、「秋田人形道祖神スライド&トークショー in 横手市十文字町木下(きじた)」を開催いたしました。
横手市十文字は秋田県南に位置し、「十文字の中華そば」やさくらんぼが有名な場所。「木下」は知る人ぞ知る、十文字町の集落の一つです。
木下集落ではカシマサマが祀られており、ANPにとっては聖地に伺うような感覚です。

今回木下集落にご招待してくださったのは、菊地さんという、取材でいつもお世話になっている大変熱いお方です。同ブログで何度か「Kさん」として登場していただいています。「木下いきいきサロン」を開催しており、今年初めての「サロン」へお声を掛けてくださいました。

他の地域の人形道祖神を知っていただこうと、大館や能代、大仙などの人形道祖神をご紹介しました。最後のトリは「木下のカシマサマ」。木下ならではの特徴的な要素をご紹介しました。
皆様の様子で印象的だったのは、「色々なカシマサマがいるんだね」「木製の刀を持つ神様はいるけれど、うちのように鉄製の刀はないのでは?」「(木下のカシマサマを作り替えた後、夕方からお囃子を演奏しながら集落を練り歩きます)うちのように子供たちがたくさん参加する場所ってあるの?」等、熱心に質問していただけたことでした。

最後にくじ引き大会です。参加された皆様に景品が当たりました。ANPからは「村を守る不思議な神様1&2巻」を贈呈させていただきました。ちなみに小松さんは珈琲のインスタント箱詰めセット、私は洗剤が当たりました。大切に頂きます。

サロンの後、お昼をご馳走になりました。この日は湯沢市岩崎地区から長老の菊地さん、末広町のカシマサマづくりの達人・児玉さんもいらしていました。「末広町のカシマサマが誇る「技」を、木下のカシマサマに伝えてほしい」という(木下の)菊地さんの思いがあったからです。
ちなみに岩崎地区末広町のカシマサマと言えば、あの有名なカシマサマです。

皆さんと会食している中、「年々少子高齢化が進んでいるが、カシマサマづくりをこれからも続けていきたい。そのためにどうしていくべきか」という熱い議論が繰り広げられました。その様子を目前でみていた私は「カシマサマはなんて熱いのか・・・!」と思わず心が震えました。

この日、児玉さんから末広町のカシマサマづくりの日程を教えていただきました。雪が少ないので例年より早めを予定されているとか。今年も是非、取材させていただきたいです。

木下集落の菊地さん、そして皆様、この度は貴重な機会をありがとうございました。

【おまけ】

帰り道に美郷町歴史民俗資料館に寄り、本堂城跡のショウキサマ(詳細は「村を守る不思議な神様2」にて)のレプリカをみにいきました。何度同地を訪れたことでしょう。
小松さんに後光がさしているかの様子、このあと諸事情で打ちひしがれていたANPに吉報が届きました。有難いです。

Writerこの記事を書いた人

投稿者:宮原 葉月
イラストレーター 宮原 葉月
広告・書籍・雑誌でイラストを描く。 「LOWELL Things」(ABAHOUSE)とのコラボバッグ、 シリーズ累計49万部「服を買うなら捨てなさい」(宝島社) 装画等を担当。 http://hacco.hacca.jp Twitter @hatsukimiyahara