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新刊のご紹介 その12「ナマハゲと道祖神」編

投稿者:小松 和彦 投稿者:小松 和彦 小松 和彦

村を守る不思議な神様・永久保存版』(KADOKAWA)の一部試し読みと各章の内容を紹介する連載もいよいよあと2回となりました。どうにか9月15日の発売まで間に合いそうです。

第10章は「ナマハゲと道祖神」。「人形道祖神がいる村にはナマハゲがいない」ことに気づいた私たちは、その相関性の有無を調べるために、ナマハゲ文化圏の取材へと舵を切りました。

ナマハゲと道祖神の関係については『村を守る不思議な神様2』の第一章でも考察しましたが、この時はまだナマハゲ行事を取材したことがなく、不完全燃焼で終わっています。その後、何度か取材させていただく中で、ついに両者がリンクする事例を見つけました。

石名坂のアマノハギ(ナマハゲ)
赤石のアマハゲ

第10章の舞台はにかほ市。他に比べて異色なのはこの章に人形道祖神が出てこないこと。ナマハゲに類似した来訪神、そしてサエノカミと呼ばれる男根形の道祖神が主役です。

◆五芒星から突き出た男根!サエノカミの火祭り

◆現役ナマハゲが語るナマハゲの恐怖

◆「焼かれたストーンサークル」から現れる来訪神

石名坂の行事は「ナマハゲ・アートが生まれるまで」でも触れていますが、集落の皆さんが話す内容がとにかく面白い。「来訪神と人形道祖神との相関性は?」など難しい話は置いておいて、読み物として楽しんでいただけると思います。

新刊の概要はこちらから。
またご予約も承っております。→amazonページ

◆目次
プロローグ ~わら人形を作りなさい
第1章  人形道祖神のメジャーリーガー(湯沢市)
第2章  江戸時代の旅人・菅江真澄が見た秘境の神様(大館市)
第3章  境界と道祖神(大館市)
第4章  男と女の神(大館市、能代市)
第5章  マタギ文化と道祖神(仙北市)
第6章  明治政府が消したかった古代信仰(大仙市)
第7章  山村に生きる(大仙市、湯沢市)
第8章  大きなカシマサマと小さなカシマサマ(横手市)
第9章  奇祭! 動き出すわら人形(横手市、湯沢市)
第10章  ナマハゲと道祖神(にかほ市)
第11章  幻の泥塑天子を探して(北秋田市)
エピローグ~復活と継承(大仙市)
◆アート
新刊のご紹介 その3 ナマハゲ・アートが生まれるまで
新刊のご紹介 その6 マンガ「道祖神の成り立ち編

Writerこの記事を書いた人

投稿者:小松 和彦
郷土史研究 小松 和彦
工芸ギャラリー・小松クラフトスペース店主 『秋田県の遊廓跡を歩く』(カストリ出版)、 『新あきたよもやま』(秋田魁新聞デジタル版) などを執筆。 http://www.komatsucraft.com/ Twitter @Komatsucraft