宮原 葉月
9月発売の新刊では、新たな試みとしてマンガが登場します。そこで「道祖神の成り立ち編」の最初の3ページをご紹介！（全5ページ）
この続きは新刊にてお楽しみいただけます♪
マンガが登場するきっかけ
上記の「道祖神の成り立ち編」が生まれたきっかけは、書籍化を共に進めてくださったKADOKAWAの編集者、斎藤さんからの素朴な質問でした。
「既刊の2冊を読みましたが、道祖神がどのように生まれたのか、その経緯が記されていないので、知りたいです」
「！！！」と私たち。早速小松さんがわかりやすく執筆してくれました。
ところが、一つの問題にぶち当たりました。成り立ちを説明する場合、見慣れない言葉を多々使う必要があったのです。例えば・・・
「古事記」「日本書紀」「黄泉の国」「イザナギ」「イザナミ」「道反大神」「道祖神とは元々、中国から来た『道の神』」「日本の『境の神』である塞ノ神と習合した」
わかりやすくまとめられた文章だったのですが、私の頭では理解が追い付かず・・・（飲み込みが悪くスミマセン！）。
そこで、難しいパートを視覚で補おうと、マンガで担うことにしました。これこそまさに私たちの強みです。
マンガを書くためには、まず内容を理解しなくてはなりません。小松さんにわからないこと、伝えたいことを教えてもらいながら、ストーリーをシンプルにしたり、わかりやすい言葉に置き換えたりし、ネームを仕上げていきました。「道祖神の成り立ち編」の後半では、道祖神の仲間についてご紹介しています。取材中によく出会う神様や、石碑に書かれている言葉など、個人的にわかりやすかったエピソードを織り交ぜながら描き上げました。
こちらのマンガをご覧いただくと、道祖神の世界にぐっと入りやすくなるかと思います。
マンガは4編、全部で22ページ
「道祖神の成り立ち編」の他に、下記3編をお楽しみいただけます。
「長老編」
私が尊敬する長老に密着させていただいたノンフィクション。取材中「これは！」と思わず涙腺が緩んだエピソードが多々あり、その一部や、長老の考え方など印象的なものをご紹介しています。
3年のリサーチ経験を経ると、人形道祖神の先にある「人」のことをもっと知りたい、と感じるようになりました。東京や大阪では触れる機会がなかった長老の考え方や人生は、私にとって宝物です。こんな凄い方がいる、ということをどうしても伝えたくなり、一気に描き上げました。
「キリタンポ編」
秋田県北部の人形道祖神を取材させていただくと、よく「キリタンポ」に遭遇します。
「キリタンポを知っているようで意外と知らない」ことに気付き、改めて「家庭で作られるキリタンポ事情」をマンガにしようと思いました。ご協力いただいたのは、お料理上手な小松さんのお母さま。滅多に表に出られない方なので、今回たくさん登場していただく本編は大変貴重。しかもお母さまのレシピ付き。
「カシマサマとスイカ編」
マンガで初登場するカシマサマとスイカの物語。秋田のスイカが十数年前に比べてとても美味しくなった理由を追います。また、登場する集落のリーダーに伺ったある言葉もご紹介。地方の現実と向き合う一つの考え方が印象的でした。スイカ編については、また別途ブログでご紹介予定です。
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◆目次
プロローグ ～わら人形を作りなさい
第1章 人形道祖神のメジャーリーガー（湯沢市）
第2章 江戸時代の旅人・菅江真澄が見た秘境の神様（大館市）
第3章 境界と道祖神（大館市）
第4章 男と女の神（大館市、能代市）
第5章 マタギ文化と道祖神（仙北市）
第6章 明治政府が消したかった古代信仰（大仙市）
第7章 山村に生きる（大仙市、湯沢市）
第8章 大きなカシマサマと小さなカシマサマ（横手市）
第9章 奇祭！ 動き出すわら人形（横手市、湯沢市）
第10章 ナマハゲと道祖神（にかほ市）
第11章 幻の泥塑天子を探して（北秋田市）
エピローグ～復活と継承（大仙市）
◆アート
「新刊のご紹介 その3 ナマハゲ・アートが生まれるまで」
最後にお知らせ
当ブログに度々登場してくれる、人形道祖神大好き！高校男子の多賀糸君が、秋田のテレビ番組「ぷぁぷぁ金星」（秋田朝日放送）に本日登場するそうです！ちなみに私たちも以前の回で登場させてもらいました。
同番組の恒例企画に「道祖神スケッチ」というものがあります。番組のみなさんが道祖神をユニークにスケッチし、発表しあう内容。多賀糸君も道祖神のスケッチをされるのでしょうか・・・！？Youtubeでも拝見できるそうなので、秋田県外でも要チェックです。
▼秋田での放送日程
道祖神スケッチ（前編）：2021年9月3日 深夜0時20分放送
道祖神スケッチ（後編）：2021年9月10日放送予定
