『村を守る不思議な神様・永久保存版』(KADOKAWA)9月15日の発売を前に、私と宮原さんの元に見本誌が届きました!恐る恐る手に取ってみると、思っていた以上に情報量がすごい!マンガが4編、さらに巻末にギャラリーページができたことで、これまで自費出版した2冊とは全く違う印象になりました。「読みやすさが全然違う!これはハマる!」というのは家族の感想。私たちが今できることが最大限に活かされた一冊に仕上がったと思います。
新刊の紹介と一部試し読みできるこの連載もいよいよ後半に入りました。第7章は「山村に生きる」。秋田県内の人形道祖神で海沿いに立っている事例はありません。それは山に近い内陸部に集中して分布しているから。本章は山深い里に祀られている道祖神とそこに生きる人々の物語です。


「山村編」に登場するのは、大仙市南外の荒沢のショウキサマと湯沢市皆瀬の若畑のニンギョウサマ。荒沢は『村を守る不思議な神様』の1冊目で、若畑は2冊目で取り上げました。荒沢は2019年に取材したショウキサマの行事や昨年長老に聞き取りしたデータを元に書き起こし、2冊目でとりわけ「心に残った」というご感想を頂いている若畑の記事は書き直して再編集しました。

◆オールラウンドプレーヤーが集まった「ショウキ立て」
◆一晩で100個の柿の皮をむけなければ「わっぱが」だ
◆天空の村で行われる年に3回の人形立て
この章の語り部は荒沢がおじいちゃん、若畑がおばあちゃんでいずれの方も80代。生まれてから今まで村に住まわれてきた生き字引です。行事では参加されている皆さんの話に引き込まれてしまうことが多く、それがまさに取材の醍醐味。人形道祖神を通じて、その土地に生きた人々の歴史を少しでも書き留めておきたい。そんな思いから生まれた一章です。

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◆目次
プロローグ ~わら人形を作りなさい
第1章 人形道祖神のメジャーリーガー(湯沢市)
第2章 江戸時代の旅人・菅江真澄が見た秘境の神様(大館市)
第3章 境界と道祖神(大館市)
第4章 男と女の神(大館市、能代市)
第5章 マタギ文化と道祖神(仙北市)
第6章 明治政府が消したかった古代信仰(大仙市)
第7章 山村に生きる(大仙市、湯沢市)
第8章 大きなカシマサマと小さなカシマサマ(横手市)
第9章 奇祭! 動き出すわら人形(横手市、湯沢市)
第10章 ナマハゲと道祖神(にかほ市)
第11章 幻の泥塑天子を探して(北秋田市)
エピローグ~復活と継承(大仙市)
◆アート
「新刊のご紹介 その3 ナマハゲ・アートが生まれるまで」
「新刊のご紹介 その6 マンガ「道祖神の成り立ち編」