小松 和彦
２月５日（日）秋田市中心部にある「あきた芸術劇場・ミルハス」で『あきた無形民俗文化財万博～カタチなきたからもの～』（主催・秋田県、企画運営・わらび座）が開催されました。今回ポスターやチラシのイラストを手掛けたのは宮原さん。そして当日は「不思議な神様館」というパビリオン（展示ブース）を秋田人形道祖神プロジェクトが担当することになりました。
宮原さんは２日前の２月３日に大阪から秋田へ到着。その翌朝、偶然にもNHK総合「ウィークエンド東北」で昨年１２月に放送された「あさイチ」の再編集版がオンエアされました。大仙市北観音堂のオニョサマの作り替え風景や湯沢市岩崎の藁編み名人・児玉東平さんのインタビュー、宮原さんの絵画作品の紹介など未放映シーンが満載。番組の最後には翌日の「あきた無形民俗文化財万博」が紹介され、イベントへの期待はいやが上にも高まります！
私たちの”パビリオン”に展示するのは樽見内のカシマサマ（平鹿農村文化伝承館蔵）、中荒沢のショウキサマ（南外民俗資料交流館蔵）、資料としてお預かりしている末野の鹿島船と白沢のニンギョウサマ。そして、宮原さんがこれまで描いた数々の「道祖神画」を『村を守る不思議な神様・永久保存版』（KADOKAWA）に掲載した線画やマンガと共に飾ります。カシマサマとショウキサマはわらび座さんに運搬していただきました。
展示設営は4日の午後からスタート。私と宮原さんの他、わらび座の皆さんにも手伝ってもらいました。普段から舞台作りで鍛えられている劇団員さんたちは宮原さんの指示に「一を聞いて十を知る」仕事ぶり。私が途中、各展示担当者の打ち合わせに出かけて、戻ってきた時には既に展示が完成していました。
いよいよ開催当日。午前１０時からのオープニングセレモニーでは「なまはげ館」、「竿灯館」、「箕づくり名人館（田口召平さん）」、そして私たち「不思議な神様館」がそれぞれの見どころなどを紹介しました。司会進行の川井田南さんには当日ブースの案内係も務めていただくことに。
「不思議な神様館」の前には秋田人形道祖神プロジェクトのショップが登場。物販は私の妻と娘に担当してもらいました。準備万端でお客様を待ちます。
私たちのブースでは１０：４０、１２：００、１３：３０、１５：００の計４回、各３０分のギャラリートークを開催。第１回目が始まる頃には続々と人が集まってきました。大盛況です！
ギャラリートークは前半が宮原さんが絵画を見せながら人形道祖神の魅力を、後半は私が展示している藁人形を紹介するというもの。１回目が終わった時点で、「何かが違う」と感じました。いつもやっているスライドショーと異なり、ギャラリートークには「導線」が必要なのです。すぐに宮原さんと内容の修正に取り掛かり、３回目にはおおよその形が出来上がりました。
手前味噌ですが「不思議な神様館」の展示は見ごたえがありました。宮原さんの原画がこれだけ一堂に見られる機会は秋田県立近代美術館での展示以来。カシマサマやショウキサマが秋田市中心部に登場したのは、私が知る限り前例がありません。いつもは道端に祭られている藁人形がこうして建物を中に展示されると、アートとしての魅力をあらためて感じさせられます。
来場者の中には、私たちの活動を本やTVで知り、遠方から会いに来てくれた方も。ギャラリートークの合間はずっとお客様とお話していました。グッズ販売も予想以上に好評。体力的にはかなり疲れましたが、心地よく終えられたのは展示設営から受付までずっと強力にサポートしていただいた劇団わらび座さんのおかげです。作業の手際の良さや細やかな気配りなど、プロの仕事に感動しました。
他のブースやメインステージが観られなかったのは残念でしたが、「とても面白かった」と満足された声をたくさん聞きました。大いに盛り上がった『あきた無形民俗文化財万博』。秋田の人形道祖神の魅力を多くの方に知っていただけたのではないでしょうか。
主催者である秋田県庁とわらび座様、ご来場いただいたたくさんのお客様、手伝ってくれたスタッフの皆様、そして私の家族に感謝です！
NHKワールド「CYCLE AROUND JAPAN」に人形道祖神が登場
NHKワールドで放送されている『CYCLE AROUND JAPAN』の秋田特集に横手市平柳のヤクジンサマ、仙北市吉田のワラニンギョウが登場！私も微力ながら取材協力しました。NHK総合では2月21日（火）午前11時から日本語版が放送予定。ウェブサイトでは英語版をご覧いただけます。とにかく映像が素晴らしい！必見です。
