Blog

2年ぶりの岩崎鹿島祭り

投稿者:小松 和彦 投稿者:小松 和彦 小松 和彦

 『村を守る不思議な神様』で「人形道祖神界のメジャーリーガー」として紹介した湯沢市岩崎・末広町のカシマサマ。毎年4月に行われる衣替えの行事「鹿島祭り」は昨年、新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言をうけて中止に→こちら。同じカシマサマが2年続けて祀られるという異例の事態となりましたが、それでも全く壊れることなく、町を守ってこられました。今年3月にメディアの取材に同行して岩崎へ伺った際、地元の皆さんから「今年は4月18日にやるからおいでよ」というありがたいお誘いが。いざ2年ぶりの「鹿島祭り」へ!

カシマサマ制作の第一歩は「藁しごき」から

 当日は大雨の予報。しかし、奇跡は起こりました!ちょうど早朝からお昼の間だけ、雨雲に切れ間があったのです。さすがはカシマサマのパワー!考えてみると、今までの人形道祖神の取材で雨で流れてしまったことは一度しかありませんでした。

三人がかりでカシマサマの腰に巻く横綱を作る

 カシマサマの衣替えには30名ほどの末広町の皆さんが参加。この制作工程を見学させていただくのは今回が3回目ですが、素晴らしいチームワークとその技法は不変。2018年の取材時には入門編である「藁しごき」だけをしていた若い男性が、今回はカシマサマの両腕両足に着ける「トバ」を制作されていたり、制作技法についてお話を聞かせていただいたおじいちゃんが残念ながらお亡くなりになられていたり、実際には色々なことが変わっております。

カシマサマの手足を作る児玉東平さん

 児玉東平さんは末広町の鹿島祭りには欠かせない藁編みの名人。そんな児玉さんが「実は今回はじめてやるんだ」というのがカシマサマの両手両足作り。慣れない作業かと思いきや、さすがはカシマサママスター!手慣れた様子で見る見るうちに出来上がっていきます。宮原さんも達人の技に見入っていました。

頭に面を付けて最後の仕上げに入る

 午前8時からスタートした衣替えはお昼前には完成。2年ぶりに生まれ変わったカシマサマはこれまで以上に神々しく、威厳に満ちていました。

 冒頭部分で触れた「取材に同行した」メディアの人形道祖神特集は来月公開される予定です。どんなところでどのように紹介されるのか、どうぞお楽しみに♪

 書籍制作は大詰めに差し掛かっています。目下、宮原さんは100枚以上の挿絵や絵画作品を制作中。来月には大まかな内容をUPできるかと思いますが、新刊は今までに書いた内容を大幅にブラッシュアップしたものも掲載。もちろん岩崎のカシマサマのことも書かせていただきます。是非ご期待ください。

Writerこの記事を書いた人

投稿者:小松 和彦
郷土史研究 小松 和彦
工芸ギャラリー・小松クラフトスペース店主 『秋田県の遊廓跡を歩く』(カストリ出版)、 『新あきたよもやま』(秋田魁新聞デジタル版) などを執筆。 http://www.komatsucraft.com/ Twitter @Komatsucraft