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今年もやってきました!末野のショウキサマ&第3回鹿島人形コンテスト

投稿者:小松 和彦 投稿者:小松 和彦 小松 和彦

7月最初の日曜日は横手市大森末野のショウキサマの行事です。このブログでもおなじみの、秋田県を代表する人形道祖神の一つ。昨年は所沢市の角川武蔵野ミュージアムにも収蔵展示され(こちら)、先日はNHKBSプレミアム「にっぽん縦断・こころ旅」でも紹介されたばかり。そしてなんと言っても、ここでは「鹿島流し」が同日開催。民間信仰の2大人形行事(道祖神&人形送り)がダブルで見られる奇跡のような祭典です。2018年から毎年取材させていただいておりますが、今回は宮原さんが新刊制作で埼玉の自宅に籠城しているため、私一人で伺いました。

2018年の取材は「村を守る不思議な神様2」に収録。

7月4日、朝8時からショウキサマの作り替えがスタート。今年は若い方も積極的に参加。私たちが尊敬してやまない末野の熱きリーダー・斉藤繁さんの指令の元、高さ4メートル近いショウキサマが作られます。

昼前には完成!「今年は去年よりも立派だ」と皆さんおっしゃいます。聞けば、昨年は角川武蔵野ミュージアムに展示用の人形も作らなくてはいけなかったため、藁の量が若干少なかったとのこと。堂々たる貫禄で生まれ変わったショウキサマに、集落の皆さんがお参りします。

そして夕方からは鹿島流し。ところが、何と午後から雨が降り始め、鹿島船の巡行が中止に。例年は「鹿島が終われば雨が降る」のですが、今年は雨が来るのが少し早かったようです。

末野では一昨年から「鹿島人形コンテスト」を開催しております。「伝統行事を続けるために、みんなが楽しんで参加できるイベントを」と斉藤さんの発案で始まった企画。初回から私たちもお手伝いさせていただいております。

第1回目(2019年)「再び末野のショウキサマに会いに行く!

第2回目(2020年)「カシマの夏、秋田の夏(前編)

今年は第3回目。ショウキサマの近くの小屋に皆さんが自慢の鹿島人形を持ってやってきました。

これまで宮原さんが担当していた審査員。今回は調査のために来られていた民俗学がご専門のお二方にお願いしました。細かい部分の作り方に評価ポイントを置くなど、専門家の視点はとても勉強になります。

「小雪沢のドジンサマTシャツ」を着てくださっています。嬉しい♪

アート賞、お笑い賞、かわいい賞などが決まり、審査委員長の大里先生が選んだグランプリはこちらの一体。このコンテスト、申し合わせたわけではないのに毎年チャンピオンが変わります。来年は一体どうなるのか、今から楽しみです。

昨年、鹿島人形はそのまま所沢へと旅立ちましたが、今年はどうなったでしょうか…。それはいずれ明らかに。

改めて末野のショウキサマと鹿島行事の素晴らしさに感銘を受けた取材でした。末野の皆様、今年もありがとうございました。

そして、現在制作中の新刊でも末野のショウキサマと鹿島流しについては大きく取り上げております。「どうして鹿島なのか?」、「道祖神と人形送りの微妙な関係」など、これまでの『村を守る不思議な神様』には書かなかった内容を含めて、ご紹介いたします。もちろん「鹿島人形コンテスト」についても!初秋には刊行される予定です。

Writerこの記事を書いた人

投稿者:小松 和彦
郷土史研究 小松 和彦
工芸ギャラリー・小松クラフトスペース店主 『秋田県の遊廓跡を歩く』(カストリ出版)、 『新あきたよもやま』(秋田魁新聞デジタル版) などを執筆。 http://www.komatsucraft.com/ Twitter @Komatsucraft