Blog

JR東日本「びゅうトラベルサービス」さん とコラボ 秋田人形道祖神をめぐる旅のツアー

投稿者:宮原 葉月 投稿者:宮原 葉月 宮原 葉月

 先日発刊された「大人の休日俱楽部」6月号では、東北3県の人形道祖神が特集されました。
 そしてなんと、特集に合わせて「びゅうトラベルサービス」さんに「秋田に伝わる村の守り神 人形道祖神をめぐる旅」ツアーを企画していただきました!一般のお客様もお申込みいただけます。「大人の休日俱楽部」会員様限定
 出発日は7/20、8/19、8/24。各回とも私たちがガイドとして2日間同行いたします。

 各地の人形道祖神の他、岩崎の石孫味噌醤油店さんや男鹿の「なまはげ館」もめぐります。ツアーの詳細は下記にてご紹介。

ツアー1日目

<1>ワラ編みの技術を堪能!美郷町歴史民俗資料館

美郷町歴史民俗資料館にある「本堂城跡のショウキサマ」が皆様を出迎えてくれます。
本堂城跡のショウキサマが鎮座されている場所。同ツアーでは見学しませんが、車窓から眺める広大な田園風景や、遠くに奥羽山脈がそびえたつ風景は秋田ならでは(2021年5月末撮影)

 秋田新幹線「大曲駅」を下車し、「美郷町歴史民俗資料館」へ。「稲」「ワラ」文化を存分に楽しんでいただける貴重な資料と、「本堂城跡のショウキサマ」がドドン!と鎮座されています。本物の神様は別の場所にあるのですが、ワラのカリスマが作られた同じ作りの道祖神を間近にご覧いただけます。
関連記事:「本堂城回のショウキサマの作り替え取材」

<2>神秘的な雰囲気に感動!そこはまるでトトロの森のよう

今年4月に行われた岩崎地区の「末広町のカシマサマ」作り替えの様子。

 岩崎地区末広町の方々が「代々受け継がれてきた文化を絶やす訳にはいかない」「村の守り神だから」と毎年作り替えを行うカシマサマ。ワラの妙技が尽くされた美しく迫力ある作りは、実際にみると「ふぅ・・・!」と感動のため息が出るほど。また周囲は木々に囲まれ、まるで「トトロの森」のよう。とても気持ちよく、何時間でも居ることができる空間です。
 3回もの作り替えを取材させていただきましたので、蓄積する調査内容と史実を織り交ぜてじっくり解説させていただきます。
関連記事:「2年ぶりの岩崎鹿島祭り」

<3>昔ながらの手法で醤油や味噌づくり。石孫本店の見学

 同地区には、昔ながらの方法で醤油や味噌を作っている「石孫本店」があります。ツアーでは仕込みの様子などを見学させていただきます。
 石孫さんでは手間暇をかけて醤油や味噌を作っておられ、その様子は圧巻です。一度見学させていただいたことがあり、石孫さんの本気度に「ここで作られるものは絶対に美味しいはず」と購入してみた結果、今でも使い続けることに。
関連記事:「人形道祖神と秋田めぐるツアー(前編)」

<4>ビッグサイズでブサカワ感がたまらない、これがショウキサマだ!

 1日目の最後は「末野のショウキサマ」です。角川武蔵野ミュージアムでも立派なお姿をご覧いただけますが、秋田の集落に佇むお姿はとてもリアル。ビッグサイズで驚かれると思います。個人的にショウキサマのブサカワ具合がたまりませんが、両腕を大きく広げ、村に入り込もうとする悪いものを跳ね返す力強い神様です。
関連記事:「再び末野のショウキサマに会いに行く!」

ツアー2日目

<5>プリミティブなお姿が貴重!男と女の神様の物語

 2日目は一気に北上し、能代市の「小掛のショウキサマ」をみにいきます。男体と女体の2箇所へ。
 先日「大人の休日俱楽部」の同特集号をご覧になった方から、「実家が小掛にあり、両親からショウキサマのことを『家の守り神』だと教わり、帰省した際には手を合わせていました」「先人の人を思う心を受けとめ、代々繋いだ証だったと知り改めて感動しました」とメッセージを頂戴しました。とても嬉しく思いました。個人的にも大好きな道祖神の一つです。
関連記事:「<前編>アマビエだけじゃないよ、今も生きる秋田の神様【小掛のショウキサマ】が新たに誕生!」

<6>秘境の神様!今でも残る奇跡的なお祭りを解説します

 秋に発売予定の書籍でご紹介予定のドジンサマ。「こんな原始的なお祭りが今でも残っているなんて!」と驚いた人形道祖神です。新沢地区は山々に囲まれ、また近くを渓流釣り場としても知られる「長木川」が流れます。さらには旧小坂鉄道の廃線跡が近くを走り、かつて木材や鉱山で栄えていたのだというノスタルジーをご堪能いただけるかも。
関連記事:「代官山 蔦屋書店スライド&トークショー『秋田人形道祖神めぐりグレイテストヒッツ』 内容のご紹介 その2」

<7>青森に近い、県北の巨大な神様!

秋田の北部で最大の道祖神です。書籍「村を守る不思議な神様2」でご紹介した、2年に1度作り替えが行われるビエンナーレの神様です。
関連記事:「松原のニンニョサマ」

<8>村の境界って?3体の神様が守る中羽立のニンギョウサマ

 3か所に点在する道祖神。こちらも「村を守る不思議な神様2」にてご紹介しています。こちらでは「村の境界」の興味深い概念について解説いたします。
関連記事:「ニンギョウまつりを尋ねる」

ツアー3日目

<9>秋田といえばなまはげ!なまはげ体験も

 秋田といえばなまはげ。最終日に男鹿の「なまはげ館」「男鹿真山伝承館」に伺います。ちなみに「人形道祖神」と「なまはげ」は仲間だと考えられ、「なまはげ文化圏」と「人形道祖神文化圏」と、互いに重なることなく秋田に存在します。
 「男鹿真山伝承館」ではなまはげ行事を体験していただきます。私たちは石名坂浅内のなまはげ行事を取材させていただきましたが、「自分が子どもだったら泣いてしまう」と思うほど迫力があります。

 以上が同ツアーで訪問予定の神様です。
 これまで書籍や展示、トークイベントなどで人形道祖神をご紹介させていただいていますが、「百聞は一見に如かず」、その場に来て初めて得られる感動があります。各集落の皆様の信仰の篤さ、そして東北・秋田らしい風景をご堪能くださいませ。

 また秋田では交通機関が限られており、道祖神を見てまわる場合、車が必須です。そのうえ集落に辿り着いたとしても、祠を見つけるのもなかなか至難の業。(見つける過程も楽しいですが)

 今回の取材旅では、制作チームの皆さんより「取材中に様々な人形道祖神をみてきたが、(ANPの)説明があると一層わかりやすく、道祖神文化の面白さを知ることができた」とコメントを頂戴しました。道祖神の姿をご覧いただくだけではなく、それぞれにまつわる史実や信仰、ユニークなお祭り模様なども交えて知っていただけると、一層楽しんでいただけると思います。

 こんな不思議なツアーはなかなかないと思いますが、かく言う私も、人形道祖神を通じて、その先にみえる秋田のリアルな魅力にドハマりしました。

 頑張ってツアー料金を出している、と聞いています。コロナ禍でなかなか旅がしづらい日々が続いていますが、タイミングが合えば是非ご検討ください。

秋田に伝わる村の守り神 人形道祖神をめぐる旅

 7月29日現在、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、全ツアーの催行中止が決まりました。この度は沢山の方々にお申込みいただき催行が決定しておりましたが、中止となり大変申し訳ございません。私たちもとても楽しみに準備を進めていましたので、残念でなりません。新型コロナウィルスが収束し、安心して人形道祖神をご案内できる日が来ることを、心から願います。

◆おすすめポイント
<1>ANPがツアーに同行。 秋田県内を駆け巡った3年分の取材を元に、リアルな各集落の情報や史実をお楽しみいただけるようご案内いたします。
<2>個人では行きにくい、人形道祖神が祀られる集落を貸切バスでめぐります。
<3>秋田観光も満喫! 3日目は「なまはげ館」でなまはげと人形道祖神の違いをお楽しみください。

◆出発日
7/20(火)8/19(木)8/24(火)
2泊3日の旅

◆その他
1名様からお申し込みが可能です!現在お1人様のお申込みが多いとのことでした。2日間のご案内をしっかり担当させていただきます。
どなたでも参加いただけます。(「大人の休日俱楽部」会員様以外の方も) →詳細はこちらから

◆発着場所
東京駅発着の他、大宮駅(※)や大曲駅集合/秋田駅解散も可能です。
※添乗員さんが東京駅から乗車するため、大宮駅からの乗車の場合、お客様ご自身で入場券をご購入のうえ、直接新幹線にご乗車いただきます。なお入場券は返金がなされません。ご了承くださいませ。

◆お申込み〆切日
カード決済でしたら、14日前までの受付が可能です。
各出発日のお申込み最終日は下記の通りです。
■7/20(火)出発 → 7/6(火)まで
8/19(木)出発 → 8/5(木)まで
8/24(火)出発 → 8/10(火)まで

詳細はこちらからどうぞ!

Writerこの記事を書いた人

投稿者:宮原 葉月
イラストレーター 宮原 葉月
広告・書籍・雑誌でイラストを描く。 「LOWELL Things」(ABAHOUSE)とのコラボバッグ、 シリーズ累計49万部「服を買うなら捨てなさい」(宝島社) 装画等を担当。 http://hacco.hacca.jp Twitter @hatsukimiyahara