Blog

代官山 蔦屋書店スライド&トークショー「秋田人形道祖神めぐりグレイテストヒッツ」 内容のご紹介 その2

投稿者:小松 和彦 投稿者:小松 和彦 小松 和彦

いよいよ11月10日(日)開催される代官山蔦屋書店さんでのスライドトークイベントまで残り数日に迫りました。この2年間に取材した100体以上のカシマサマ、ショウキサマ、ニンギョウサマ等の中から大小新旧取り混ぜてお話しします。さらにこれまでのイベントや書籍では紹介してなかった人形道祖神も登場します。

これまで『村を守る不思議な神様』、『村を守る不思議な神様2』の刊行イベントでは書籍に登場する順番通りにスライドを作ってきましたが、今回は総集編ということで北から順番に紹介していきます。トップを飾るのは、大館市雪沢地区にある「最古の人形道祖神」です。

雪沢の最奥部・二ツ屋のドジンサマ

雪沢地区にある小雪沢、大明神、新沢、二ツ屋の4つの集落では「ドジンサマ」という人形道祖神がまつられています。朱色に塗られた男女一対の木像という平安時代に記された道祖神と共通する特徴を持ちます。

『村を守る不思議な神様』の第一章では二ツ屋のドジンサマを取り上げましたが、この夏に小雪沢と新沢のドジンサマの祭りも取材しました。

小雪沢のドジンサマ。普段は男女の神様が別々にまつられている。

約200年前に菅江真澄が図絵に記した小雪沢のドジンサマ。6月の「ドジンサマ祭り」では道祖神の「作り替え」や「衣替え」でなく、「塗り替え」を取材しました。表面の塗料がすべて落とされた時、真澄が描いた時の姿が一瞬蘇ったような気がしました。

新沢のドジンサマ。祭典は鹿島流しと共に行われる。

新沢集落では集落の入口2か所に男女一対のドジンサマがまつられます。塗り替えは6月下旬、そして7月上旬に祭典が行われました。ドジンサマの祭りは鹿島流しと同時開催。4体のドジンサマが乗ったリヤカーとワラ人形のカシマサマが乗った船が村を巡行する姿は圧巻でした!この日、撮影した動画は11月10日のイベントでお披露目いたします。

新沢の鹿島流しの様子。

秋田県内に分布する人形道祖神の中でも雪沢地区のドジンサマのプリミティヴ度は別格。なぜこの地域にだけ、古い形態の道祖神がまつられているのか、興味が尽きません。

詳細は11月10日のスライド&トークイベントにて。イベントのお申し込みはこちらから。


Writerこの記事を書いた人

投稿者:小松 和彦
郷土史研究 小松 和彦
工芸ギャラリー・小松クラフトスペース店主 『秋田県の遊廓跡を歩く』(カストリ出版)、 『新あきたよもやま』(秋田魁新聞デジタル版) などを執筆。 http://www.komatsucraft.com/ Twitter @Komatsucraft