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満員御礼!品川キヤノンギャラリーSでトークイベントを開催しました

投稿者:小松 和彦 投稿者:小松 和彦 小松 和彦

現在、東京品川のキヤノンギャラリーSで絶賛開催中の「奇想民俗博物館まつりと」。2月17日(土)、会場にて秋田人形道祖神プロジェクトによるギャラリートーク「なまはげだけが秋田じゃない 人形道祖神の魅力に迫る~」が開催されました。私たちにとっては約4年半ぶりとなる東京でのトークイベントです。

今回は第1部(14時~)が宮原さんによる「人形道祖神を広めたアートの発信力」、第2部(15時~)が私の「人形神を立てる、流す」という構成。ちなみに事前の打ち合わせはほとんど無し。活動開始から6年目にもなると、岩崎のカシマサマ作りのように暗黙の了解で役割分担ができます。

午前10時、オープンと共に会場へ。間もなく、次々とお客様が来場されました。中にはヨーロッパから日本の民俗行事を取材するために来ている写真家の男性も。私の山田のジンジョ祭りについての説明を熱心に聞いてくれました。いずれは人形道祖神の写真を撮りに秋田に来たいそうです。

お昼を挟んでイベントの時間が近付くと、会場にはさらに多くのお客様が。用意した20数席は開演1時間前に埋まり、立ち見のスペースもいっぱいに。なんとも嬉しい悲鳴です。

宮原さんの発表が始まりました。各地の行事を取材する中で、絵画表現がどのように変わっていったかなど、「アート」の視点から秋田の人形道祖神の魅力について紹介しました。「徹底的なリサーチを元に絵や作品を作り上げていること、地元のみなさんに受け入れていただいてはじめてアートの発信力が生まれることを伝えたい」と宮原さん。実はこの時、立ち見もできないほどの状況で私は直接聞くことができませんでしたが、皆さんが熱心にお話を聞かれている様子が壁越しからでも伝わり嬉しかったです。詳しい内容については宮原さんのブログにて。

そして私にバトンタッチです。「まつりと」で展示されている山田のジンジョサマをはじめ、中羽立の人形祭り末野の鹿島行事、そして男鹿半島の百万遍行事のお話などをさせていただきました。ついついトークに熱が入って、10分以上時間をオーバーしてしまいました。司会兼タイムキーパーの木村さん、大変申し訳ございませんでした。

講演が終わってから閉館までの間、初めての方、お久しぶりの方、いつもお世話になっている方など、お一人お一人と直接お話させていただきました。この日の来場者数は170名だったそう。秋田の人形道祖神に関心を持ってくださる方が沢山いらっしゃることを肌で感じ、感謝の気持ちでいっぱいです。人口減少で存続の危機にある今だからこそ、この民俗行事を国内外に紹介し、文化資源としての価値を伝えていくのが私たちのやるべき仕事なのだと改めて思いました。

ご来場くださった皆様、そしてキヤノンギャラリー様、本当にありがとうございました。

品川キヤノンギャラリーS「奇想民俗博物館まつりと」は3月4日(月)まで(日曜休館)。日本各地の貴重な祭りの写真と共に、秋田の「村を守る不思議な神様」が皆様のお越しをお待ちしております。

そして、品川と同時にキヤノンギャラリー銀座キヤノンギャラリー大阪でもそれぞれ「祈り、舞い、祝う人々」「小さな村の不思議な祭り」をテーマとする展示が開催中。両者ともに人形道祖神に関する展示はありませんが、「日本の伝統的な祭りの現代における新たな価値を見出そうとする試み」であり、大変見応えある展示と評判が高いことがSNSなどから伝わってきます。お近くにお寄りの際は是非お立ち寄りください。

●キヤノンギャラリー銀座 「奇想民俗博物館 まつりと ~祈り、舞い、祝う人々」 3月2日(土)まで →東京都中央区銀座3-9-7

●キヤノンギャラリー大阪 「奇想民俗博物館 まつりと ~小さな村の不思議な祭り」 3月2日(土)まで →大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウエスト1F

Writerこの記事を書いた人

投稿者:小松 和彦
郷土史研究 小松 和彦
工芸ギャラリー・小松クラフトスペース店主 『秋田県の遊廓跡を歩く』(カストリ出版)、 『新あきたよもやま』(秋田魁新聞デジタル版) などを執筆。 http://www.komatsucraft.com/ Twitter @Komatsucraft