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後編:おにょさまとスイカを求めて200km

投稿者:宮原 葉月 投稿者:宮原 葉月 宮原 葉月

 前回のブログで「関口のおにょさま」を発見した私たちは、午後14時のアポイントの前に急いでお昼を食べることにしました。たまたま目に入った看板「余目(あまるめ)いきいき産直センター」のお隣「余目そば処」へ。外の幟を片付けている男性がいたので不安になりましたが、「まだ大丈夫だよ」とのこと。お蕎麦が残り2個だったそうでギリギリセーフ。

揚げたての天ぷらが美味しかったです

 店内で流れる吉幾三さんの曲を聞きながら、嬉しそうにお蕎麦を食べる小松さん。「最近演歌を流すお店が減ってしまったのがさみしい。演歌はやっぱりいいですね」。蕎麦屋を出発し、次の取材現場へ向かう道中、車内で「俺ら東京さ行ぐだ」を聞きました。演歌とラップの融合は、我々が追い求める「人形道祖神と現代のミックス」にも通じるのでしょう、不思議と力がみなぎってきます。

Sさんのスイカ畑

 14時過ぎにSさんのご自宅に到着。
 なぜスイカ栽培の取材をするのかと申しますと、秋発売予定の新刊の準備の為です。人形道祖神の文化を多層的に感じていただきたく、「スイカ」をテーマにした1コーナーをつくることにしました。しかしながらスイカの知識は皆無。そこで様々な方のご協力を賜り取材させていただいています。
 Sさんとのご縁は、秋田市内で人気の中華料理店を営む盛さんを通じて生まれました。先日盛さんとお会いした際「今スイカを調べているんですよ」とお話ししたら、「俺のお客さんで、スイカ作りのすごい人がいるから紹介する!」とすぐ電話をしてくださったのです。

 そんなSさんと遂にご対面。開口一番に「スイカ栽培は野菜の中で一番難しいよ。」とおっしゃいます。その難しさを少しでも感じとりたい、と思いました。

 事前にJAのスイカ担当の方へのヒヤリングしたり、図書館で論文を調べたり、ある程度の準備は進めていましたが、Sさんのおかげで様々なことを教えてもらい頭がスッキリしました。「スイカ畑を見ずしてスイカは語れず!」だと思いました。また同時にスイカを無性に食べたくなってきました。7月中旬から収穫がスタートするそうですので、また買いに伺おうと思います。
 Sさん、この日は貴重な時間を誠にありがとうございました!

 近くの「樋ノ口(ひのくち)のカシマサマ」を見に行きました。木をカシマサマに見立てているようです。
 ここから秋田市に向かいながら北上していきます。

 びゅうツアーで見に行く「藤巻のヤクジンサマ」の下見を兼ねて寄りました。

 6月に作り替えをしたばかりで、付近にワラのいい香りが漂います。ヤクジンサマを真正面から眺めていると、「ヤクジンサマはまさに生きている神様だ!」と強烈に感じてきて、目を離せませんでした。この日は風が強く、奥からビュウビュウ吹き付けてくる様子が荒々しく、また照り付ける日光が背後から輝き、今までにないほどの神々しさを感じました。
 さて、ヤクジンサマまで見に来たら、お次は・・・

「末野のショウキサマ」です!
今年は豪雪だった為だいぶくたびれています。(まもなく作り替えが行われるのでピカピカになりますが)
 「末野のショウキサマ」といえば、先日火野正平さんが自転車で旅をする番組「にっぽん縦断 こころ旅 -(NHK)」に登場していましたね!人形道祖神が大好き!高校生男子・多賀糸君が投稿されたそうです。番組内では昨年の作り替え行事の時に撮影をした多賀糸君とショウキサマの写真が紹介されていましたよ。

 ショウキサマをお参りした後、長老の斉藤さんのご自宅へ。畑にいらっしゃったので「こんにちはー!」とご挨拶。
 「昨年の今頃は、集落用と角川武蔵野ミュージアム用と、2つのショウキサマを作らないといけなかったから大変だったよ」と斉藤さん。「だけどやってよかった!美術館の招待券を東京の親戚や、集落内の人に配って観に行ってもらったよ。ショウキサマが全国区になってきたな!」と嬉しそうに教えてくれました。斉藤さんに喜んでいただけて本当によかった!こちらこそ、その節はかなりのご無理をお願いしてしまいましたが、お力を貸してくださりありがとうございました。

 また斉藤さんは「大人の休日俱楽部」会員だそうで、会員誌「人形道祖神特集号」を既に読まれていました。「俺たちのショウキサマが写真に載っていた」と喜んでいただいたり、先日大型の観光バスがやってきて、20名ほどのお客様がショウキサマを見に来られたなど情報を教えてもらいました。ショウキサマの目の前になんと駐車場を作られたそうですよ。

 来月の作り替え行事では、斉藤さんは諸事情で参加されませんが、声は出していくそうです。そして、「末野のショウキサマTシャツ」を着ていただけるのだそう。今年も熱い1日になりそうです。

 斉藤さん達とお別れした後、作りたてほやほやの「中ノ又のカシマサマ」を見に行きました。先述の多賀糸君から「へそとおっぱい、そして指の作り方が変わった」と報告を頂いたので気になっていた神様です。

 通常ならへそとおっぱいが「さん俵(米俵の蓋)」のところを、今年は板状に。またワラをねじって作る指がロープとビニール製へ。「このままワラの文化が失われてしまうのか・・・」いや、「かつて『鹿島流し』から『鹿島立て』へ変化(※)したように、現状に合わせて進化していくのが『中ノ又のカシマサマ』らしいのか?」と思いましたが、とにかく「なぜ変化したのか?」を確認したいと思いました。
※中ノ又のカシマサマについて、詳しくは秋田魁新報「ハラカラ」の記事(有料)「保呂羽山麓のカシマサマ」にてご覧いただけます

 畑作業をされていた集落の女性にその理由を尋ねてみると、「今年の作り替え当番の方が事前に板と指を準備していたため、折角なのでそれを使うことになった」ことがわかりました。来年もこのままでいくのか、もしくは以前の方法に戻すのかはわからないとのこと。この辺も人形道祖神らしいお話だと思いました。

 こうして、この日の200キロの旅は終わりました。秋田市へ戻ったのは19時頃。
 久々の取材旅で得た大きな興奮は冷めやらず、延々と感想や考えを話し合い続けました。私たちが取材を始めてだいぶ経ちますが、取材が尽きる気配はまったくありません。どうなることやら、これからも新たな出会いを求めて県内を駆け巡ります♪

ディープな人形道祖神を巡るツアーができました

秋田に伝わる村の守り神・人形道祖神をめぐる旅

◆出発日
7/20(火)・8/19(木)・8/24(火)
2泊3日の旅

◆関連ブログ
「JR東日本『びゅうトラベルサービス』さんとコラボ 秋田人形道祖神をめぐる旅のツアー」
「申し込み期限迫る!ANPと行く人形道祖神ツアー」

◆その他
1名様からお申し込みが可能です!現在お1人様のお申込みが多いとのことでした。2日間のご案内をしっかり担当させていただきます。
どなたでも参加いただけます。(「大人の休日俱楽部」会員様以外の方も) →詳細はこちらから

◆発着場所
東京駅発着の他、大宮駅(※)や大曲駅集合/秋田駅解散も可能です。
※添乗員さんが東京駅から乗車するため、大宮駅からの乗車の場合、お客様ご自身で入場券をご購入のうえ、直接新幹線にご乗車いただきます。なお入場券は返金がなされません。ご了承くださいませ。

◆お申込み〆切日
カード決済でしたら、14日前までの受付が可能です。
各出発日のお申込み最終日は下記の通りです。
■7/20(火)出発 → 7/6(火)まで
■8/19(木)出発 → 8/5(木)まで
■8/24(火)出発 → 8/10(火)まで

詳細はこちらからどうぞ!

Writerこの記事を書いた人

投稿者:宮原 葉月
イラストレーター 宮原 葉月
広告・書籍・雑誌でイラストを描く。 「LOWELL Things」(ABAHOUSE)とのコラボバッグ、 シリーズ累計49万部「服を買うなら捨てなさい」(宝島社) 装画等を担当。 http://hacco.hacca.jp Twitter @hatsukimiyahara