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人形道祖神の聖地で講演会(前編)

投稿者:小松 和彦 投稿者:小松 和彦 小松 和彦

村を守る不思議な神様・永久保存版』(KADOKAWA)の発売以来、トークイベントやワークショップのご依頼をたくさん頂戴しております。秋田人形道祖神プロジェクトとしては京都福島(会津若松)宮城(石巻)で開催。 昨年秋、宮原さんがご家族の転勤に伴い大阪府へ引越しされたため、秋田県内では私(小松)が一人で担当する機会が増えました。最近では市民講座、社会奉仕団体、カルチャースクール、大学(リモート方式)などでお話しさせていただいております。

秋田県埋蔵文化財センター様のFacebookページより

昨年12月3日は秋田県埋蔵文化財センターの「金曜講座」で講演しました。考古学専攻の私には懐かしくも身の引き締まる思いの会場です。せっかくなので普段のスライドトークでは触れない考古学的な内容も加えてお話ししました。終演後、埋蔵文化財センターの吉川耕太郎さんから「小松さんの愛を感じました!」という嬉しいお言葉が。

12月4日には秋田市・にぎわい交流館AUで開催された『宇宙フェスタ in なかいち』のシンポジウム『岩崎の鹿島様を守る』に参加。なんと、人形道祖神のメジャーリーガー・岩崎末広町のカシマサマを祀ってこられた石川会長とのトークセッションです。超大物との対談ということでいつになく緊張しましたが、1時間たっぷりと岩崎のカシマサマについてご紹介するという、とてもやりがいのある企画でした。

昨年11月、大館市の山田集落へ取材に伺った際、集落会会長の赤坂実さんから「今度うちの方で講演会をやってみませんか?」というお誘いが。私たちが「人形道祖神の聖地」と呼んでいる山田集落でイベントができるのは大変光栄なこと。「是非やらせてください!」とお引き受けました。

年が明けて開催日は1月22日に決定。日にちが近付くにつれ、大雪とオミクロン株の感染拡大が心配な状況になりましたが、なんとか開催に漕ぎつけることができました。

イベント前日、赤坂さんから「1メートルも雪が積もったから、来る時は気を付けて」と連絡をいただきました。行ってみるとたしかにスゴい量の積雪!例年では秋田県北部の大館市は内陸南部の横手市や湯沢市に比べて雪が少ない印象を受けますが、今年は違うようです。道路は綺麗に除雪されているので、スムーズにたどり着くことが出来ました。

会場は集落の入口近くにある交流サロン「カフェあっこ」。こちらは隣接する「ストアたんひ」と共に、赤坂さんをはじめ集落会の皆さんが中心となり、昨年オープンした施設です。すぐ後ろには山田の8カ所に祀られている道祖神の一つ、川反常会のジンジョサマがいらっしゃいます。

会場では 赤坂さん、そして一昨年に新明岱常会の取材でお世話になった田村金彦さんが準備をされていました。入口に貼られたホワイトボードにはポップな告知文が。 毎週土曜日には地産の食材を使ったお弁当も販売されています。これを食べるのも楽しみにしておりました♪

こちらが本日の日替わり「チキンカツ弁当」。揚げたてのサクサクで美味しい~。これで450円はお得です。最近では近隣の地域からも注文が相次いでいるとのこと。「ストアたんひ」のお弁当について詳しくはこちら

講演会の様子は後編で。さらに
・山田はなぜ「人形道祖神の聖地」なのか?
・ジンジョ祭りが「旧暦の10月末日の前日」に行われる理由とは?
・戦前の文献資料に書かれた不思議な風習とは?
などもご紹介いたします。

Writerこの記事を書いた人

投稿者:小松 和彦
郷土史研究 小松 和彦
工芸ギャラリー・小松クラフトスペース店主 『秋田県の遊廓跡を歩く』(カストリ出版)、 『新あきたよもやま』(秋田魁新聞デジタル版) などを執筆。 http://www.komatsucraft.com/ Twitter @Komatsucraft