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品川キヤノンギャラリーS「まつりと」に参加いたします

投稿者:小松 和彦 投稿者:小松 和彦 小松 和彦

令和6年、あけましておめでとうございます。元旦に発生した能登半島地震の被害の大きさに心が痛む毎日ですが、被災地に一日でも早く元の日常が戻ることを祈念しながら、活動してまいります。 今年も秋田人形道祖神プロジェクト(ANP)をよろしくお願いいたします。

新年最初のお仕事は1月20日から東京都品川区にあるキヤノンギャラリーSで開催される「奇想民俗博物館・まつりと」です。キヤノンギャラリーの開設50周年を記念した企画展の一つで、これまでに蜷川実花氏、浅田政志氏、レスリー・キー氏などの写真展が開催されてきました。「まつりと」では「森羅万象に宿る神々」をテーマに民俗写真家・芳賀日出男氏による写真などが展示される中で、秋田の人形道祖神も大きく取り上げられることになりました。早速、ANP関連の展示の概要をご紹介しましょう!

展示①山田のジンジョサマ

我らが「聖地」大館市山田集落の人形道祖神・ジンジョサマがやってきます。人形の展示の他、毎年旧暦10月末日の前日に行われる奇祭・「ジンジョ祭り」の様子を写真パネルで紹介。一昨年撮影された祭りの動画は「まつりと」のYouTubeページでご覧になれます。

展示➁末野のカシマニンギョウ(鹿島人形)

厄を背負った人形(カシマニンギョウ)を川や海へと流す民俗行事「鹿島流し」。横手市大森町末野では人形道祖神のショウキサマの作り替えをした後、各家で昔ながらの技法で制作したカシマニンギョウを送り出します。近年、「鹿島人形コンテスト」でも話題を集めている個性豊かな人形が10体展示されます。

展示③松崎市男さんの藁細工

『新・秋田の行事』での展示(2023年11月、大館市ニプロハチ公ドームにて)

昨年の『新・秋田の行事』で初めて世に出た中羽立の藁細工名人・松崎市男さん(故人)の作品が展示されます。長年、人形道祖神・ニンギョウサマの作り替えに携わるかたわら、藁編み技術の研究に邁進した松崎さんの仕事をご覧ください。

展示④「村を守る不思議な神様」宮原葉月絵画展

『新・秋田の行事』(2023年11月、大館市ニプロハチ公ドーム)の展示用に描いた直近の作品

最新作を含む、宮原さんの原画10点、線画14点が展示されます。「遠い秋田の民間信仰の神様を絵にしました。これをきっかけに人形道祖神に興味を持っていただけたら。他にも神様を祀る村の人々の様子がわかる挿絵も展示します。ANPならではのディープな世界を楽しんでもらいたいです」と宮原さん。熱量たっぷりに描かれた人形道祖神、そして来訪神の世界をお楽しみに。

2月17日(土)にはトークイベントも

会期中の2月17日(土)の午後2時からは会場で私たちのスライドトークも開催される予定です。東京でのトークイベントは2019年11月の代官山蔦屋書店さんでのスライドトーク「秋田人形道祖神めぐり・グレイテストヒッツ」以来。詳細は後日このブログにて。また、展示会初日の1月20日(土)には私たちが在廊する予定です。

秋田人形道祖神プロジェクトにとっては久々となる東京でのイベント。是非、村を守る不思議な神様たちに会いにいらしてください!

キヤノンギャラリー50周年企画展・奇想民俗博物館「まつりと」
2024年1月20日(土)~3月4日(月)10時~17時30分 ※日曜・祝日休館
入場無料
会場:キヤノンギャラリーS
東京都港区港南2-16-6 キヤノン S タワー 1F・2F
※JR品川駅(2階)港南口方面より徒歩約8分 京浜急行品川駅より徒歩約10分

Writerこの記事を書いた人

投稿者:小松 和彦
郷土史研究 小松 和彦
工芸ギャラリー・小松クラフトスペース店主 『秋田県の遊廓跡を歩く』(カストリ出版)、 『新あきたよもやま』(秋田魁新聞デジタル版) などを執筆。 http://www.komatsucraft.com/ Twitter @Komatsucraft