京都市内で10月3日、講演「投錨と場所─村を守る不思議な神様を訪ねる」を担当させていただきました。講演のために京都に滞在した濃密な3日間をレポートします。
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先に京都に到着した私こと宮原は、アートプロジェクト「霧の街のポリフォニー」のコーディネーターを務められる森さんおすすめの食堂、「糸ちゃん」でお昼を食べました。この日は10月にも関わらず気温が30度を超える夏日。汗がジワジワにじみ出てきます。

以前は怖くて一人で食堂に入れませんでしたが、道祖神取材中に食堂愛好家の小松さんに鍛え上げられたようで、スイッとお店に入りました。店内のお客さんが食べていた「鍋焼きうどん 全部のせ」が美味しそうだったので私も注文。食堂では地元の方々の雰囲気がよくわかりとても面白かったです。秋田と違い店内が大変賑やか。「おおきに!」という言葉によって、私の頭が京都モードへ切り替わりました。
夕方に小松さんと合流。京都駅で市バスに乗り、京都芸術大学で開催中の展示「colors 染めの世界・八幡はるみと卒業生」展を見に行きました。偶然にも「秋田」に所縁がある先生方が集まりました。


左から、京都芸術大学の准教授である画家・山本 太郎先生。秋田公立美術大学時代に大変お世話になりました。山本先生が秋田で関わられていたアートプロジェクトはANP結成のきっかけになりました。
テキスタイルアーティストで金沢美術工芸大学教授の大高 亨先生。秋田県能代市のご出身で、『村を守る不思議な神様2』のあとがきでご紹介した荷八田のサイノカミ行事の取材で大変お世話になりました。
染色作家で京都芸術大学教授の八幡はるみ先生。小松さんのお店で何度も作品展を開催されています。以前、秋田県美術展覧会の審査員も務められました。なんと秋田県内の人形道祖神巡りも行かれたことがあるそう。展示では八幡先生の植物をモチーフとしたデジタルプリントの作品が大変鮮やかで、眼福を得ました。ありがとうございました。
大高先生との会話で印象的なことをご紹介します。「国内の染織を調査するために山奥や僻地もよく行っていたよ。現地でのやり取りに言葉は大事。津軽地方へ調査に出掛けた際、(大高先生の出身地である)能代の言葉と近いものがあるから俺はわかったけれど、一緒に行った助手は全くわからなかった。言葉はやっぱり難しいよね。」という言葉が印象的でした。私自身も秋田で暮らし始めて最初の2年はまるでわからなかったので、助手の方の気持ちがよく理解できます。
また「俺、能代にずっと住んでいたけど、人形道祖神なんて全く知らなかった~」ともおっしゃっていました。能代には小掛や羽立、鶴形に個性的な神様が勢ぞろいしていますので、今度是非、道祖神をご堪能くださいませ!
この日は夕飯を食べて帰路につきました。翌日はいよいよ講演です。
つづく
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