9月15日発売の『村を守る不思議な神様・永久保存版』(KADOKAWA)。第3章は「境界と道祖神」です。
村に災いが入ってこないように、境界に祀られる人形道祖神。しかし、大館市北部で取材を続けているうちに、私たちはあることに気づきました。
「道祖神が祀られている場所は本当の村境ではない」


道祖神が密になっている地域では、それぞれの道祖神の間に緩衝地帯が設けられ、Aの村とBの村の道祖神が向かい合うことはありません。しかし、本当の村境で行われるもう一つの「まじない」があるのです。それが「虫追い」です。

「虫追いがきっかけで村同士のけんかになることもあった」と書かれている文献資料を発見。そんな中、「道祖神を祀り、虫追いも行っている」村が隣り合っている事例があることを突き止めました。
それぞれの村ではどんな「境界の祭り」が行われているのか。興味津々で取材に向かいます。
◆1年に2度開催される「人形祭り」。大事なのは「足元」
◆まさかの領内侵犯⁈初めて耳にする単語にビックリ!
◆虫追いで重要視されるのは「村境」ではなく「●口」だった。
道祖神や虫追いを通して、村や人にとって「境界とは何か」を考えさせられます。個人的には本書の中で特に気に入っている一章です。

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◆目次
プロローグ ~わら人形を作りなさい
第1章 人形道祖神のメジャーリーガー(湯沢市)
第2章 江戸時代の旅人・菅江真澄が見た秘境の神様(大館市)
第3章 境界と道祖神(大館市)
第4章 男と女の神(大館市、能代市)
第5章 マタギ文化と道祖神(仙北市)
第6章 明治政府が消したかった古代信仰(大仙市)
第7章 山村に生きる(大仙市、湯沢市)
第8章 大きなカシマサマと小さなカシマサマ(横手市)
第9章 奇祭! 動き出すわら人形(横手市、湯沢市)
第10章 ナマハゲと道祖神(にかほ市)
第11章 幻の泥塑天子を探して(北秋田市)
エピローグ~復活と継承(大仙市)