遅ればせながら新年あけましておめでとうございます。本年も秋田人形道祖神プロジェクトをよろしくお願いいたします。

昨年の大みそかは男鹿市脇本大倉集落のナマハゲを取材させていただきました。こちらの集落では赤の「ジッコ」 と青の「バンバ」が2匹一組となって各家を周ります。2000年代に一度中断しましたが、「ナマハゲが来なければ年末でねえ」と昭和58年生まれの男性たちが中心となってコロナ禍前に復活。同行させていただきながら、ナマハゲは大倉の皆さんにとってかけがえのないコミュニケーションツールであることを感じさせられました。来訪神行事も人形道祖神と同様、集落によって様相が異なるところが面白いです。
そして、前回のブログでも紹介しましたが、来たる1月24日(金)は人形道祖神研究の第一人者・神野善治先生、新屋鹿嶋祭保存会の高橋伸さんをお迎えし、秋田公立美術大学にてシンポジウム「人形道祖神と鹿島行事」が開催されます。11月28日に宮原さんと開催した「なまはげだけが秋田じゃない~人形道祖神×複合芸術」と同じく、私が在籍している秋田公立美術大学大学院博士課程による「複合芸術会議2024ガイド|ライン」のイベント内企画です。

「人形道祖神と鹿島行事」
2025年1月24日(金)14:30-17:00
会場:秋田公立美術大学大講義室(講義棟A2階)※キャンパスマップはこちら
入場無料
※本学学生や教職員は参加自由。学外者で参加ご希望の方はこちらのフォーム、またはメール(komatsucraft@gmail.com)か電話(018-837-1118小松方)にてお申し込みください。
東日本各地には集落に疫病が入ってこないよう、ショウキサマ、ニンギョウサマ、カシマサマなどと呼ばれるワラや木で作られた人形の神様を村境や神社に祭る風習が見られます。民俗学者の神野善治氏によって「人形道祖神」という名称で分類されたこの民間信仰は、全国でも秋田県に最も多く分布し、人形の頭部だけのものを含めると、現在県内150カ所以上で確認できます。
これとは別に、家内安全や五穀豊穣などを願い、カシマニンギョウと呼ばれる人形を舟に乗せて川や海へ流す「鹿島流し」も秋田県内各地で行われております。毎年6月に開催される秋田市新屋の「鹿嶋祭」は県下最大の鹿島流しです。
秋田県に古くから伝わる多彩な人形の民俗行事。その過去、現在、未来について語り合います。
・プログラム
①基調講演「人形道祖神の発見」神野善治(武蔵野美術大学名誉教授、日本民具学会会長)
②研究発表「秋田県における人形立て行事と鹿島流しについての一考察」小松和彦(秋田人形道祖神プロジェクト、秋田公立美術大学大学院博士課程)
③トークセッション「鹿嶋祭と新屋」高橋伸(新屋鹿嶋祭保存会理事)、神野善治、小松和彦
イベントの詳細は秋田公立美術大学大学院のウェブサイトでもご覧いただけます。

神野先生とはこれまで、角川武蔵野ミュージアムでの展示や、クラウディア・オレンツチン先生とのリサーチツアー、山田のジンジョ祭りの伝承事業でご一緒させていただきましたが、トークイベントは今回が初めて。まさに「名付け親」である神野先生が人形道祖神について講演するのは本当に楽しみですが、次に発表する私は久々にガチで緊張すること必至。とにかく、初めて尽くしの特別なイベントになりますので、万障お繰り合わせの上、是非ご参加ください。
また1月24日(金)からの「複合芸術会議2024ガイド|ライン」では博士課程に在籍する4人による展示や企画が秋田市内各地で開催されます。私が運営している小松クラフトスペースでは「人形道祖神と鹿島行事」に関する展示も予定しております(2月2日まで)。是非こちらも併せてご覧下さい。