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カシマの夏がやってきた!

投稿者:小松 和彦 投稿者:小松 和彦 小松 和彦

私が住んでいる秋田市では3年ぶりに「竿灯まつり」が開催中。新型コロナの再拡大が心配なこの頃ですが、久々の地元の夏祭りに心が躍ります。

7月は夏恒例の鹿島行事を取材しました。今年のテーマはカシマサマではなく「鹿島流し」です。これまでは人形道祖神の取材を優先していたので日にちが重なるとどうしても後回しになっていましたが、地域によってどんな祭りが行われているのか、確かめてみたいと思っていました。取材の様子を一挙にご紹介しましょう♪

7月3日は横手市大森町末野のショウキサマ立てと鹿島流しへ。こちらの行事には2018年以来、毎年伺わせていただき、『村を守る不思議な神様・永久保存版』(KADOKAWA)や秋田魁新報『ハラカラ』でも取り上げました。今回は宮原さんが来秋し、久しぶりにANPフルメンバーで取材。第4回目となった「鹿島人形コンテスト」も熱かったです(詳しくは後日改めて)。

7月8日は同じく横手市大森町にある松田集落の「ジジババ流し」と「鹿島流し」へ。「ジジ」、「ババ」と呼ばれる男女一対の大人形(180センチ位)と鹿島流しが同時に行われます(人形作りについては前回のブログにて)。南部の虫送りと秋田の鹿島流しが合体したような人形送り行事でした。

7月14日は3年ぶりに開催された男鹿市北浦の「鹿島祭り」へ。春彼岸の百万遍念仏以来、男鹿をリサーチする機会が増えており、今回はついに「海のカシマ」を取材。内陸部の「川のカシマ」とは異なる風習もあり、驚くことが沢山ありました。

7月17日は大仙市から湯沢市かけて同時多発的に各地で鹿島行事があり、朝から晩まで横手市の高校三年生・多賀糸尊さん、消しゴムハンコ作家のJUMBO STAMPさんと一緒に周りました。この日は人形道祖神・ヤクジンサマを祭る横手市大雄の藤巻と平柳でも鹿島流しを開催。とにかく船のカッコ良さに惹かれました。

同日行われた大仙市藤木大保の鹿島流しも取材しました。葦で作られた2艘の船に鹿島人形が並べられ、雄物川に流されます。こちらの鹿島人形は一人の方が作られているのですが、とても絵になる武者人形です。

7月23日は横手市雄物川町石塚の鹿島流しへ。「最小のカシマサマ」を村境に立てて、各家の鹿島人形を川へ流す行事です。今年もミニマムな道祖神が登場。子供たちの「カシマ!カシマ!」というコールが村中に響く、素朴で温かいお祭りでした。

まだまだ調べなければいけないことがありますが、現在、取材の成果をまとめており、近々発表する予定です。ぜひご期待ください。

取材にご協力いただいた各集落の皆さま、そして五十嵐祐介様、佐々木茂様、多賀糸尊様、冨岡慎太郎様、本当にありがとうございました!

最近は一緒に取材することも多い「道友(道祖神友達)」多賀糸さんの個展が秋田市・ココラボラトリーで始まりました。とにかく情報量と熱量に圧倒されます!8月7日まで。

Writerこの記事を書いた人

投稿者:小松 和彦
郷土史研究 小松 和彦
工芸ギャラリー・小松クラフトスペース店主 『秋田県の遊廓跡を歩く』(カストリ出版)、 『新あきたよもやま』(秋田魁新聞デジタル版) などを執筆。 http://www.komatsucraft.com/ Twitter @Komatsucraft