Blog

いろいろご報告♪

投稿者:宮原 葉月 投稿者:宮原 葉月 宮原 葉月

 「秋田が誇る人形道祖神の文化を広めたい!」と活動をはじめて3年目、当初は想定していなかった様々なお声を頂けるようになりました。大変有難く、今回皆さまから頂いた貴重なフィードバックをご紹介いたします。

<目次>
1.渋谷ヒカリエ「d47 MUSEUM」で開催中の展示について、公式書籍のご紹介
2.秋田県立大学で講義をさせていただいた感想レポートのご紹介
3.「鍾馗」つながりで青森ねぷた祭りの書籍のご紹介

 トップバッターは、現在渋谷ヒカリエの「d47 MUSEUM」で開催されている「LONG LIFE DESIGN 2 祈りのデザイン展 -47都道府県の民藝的な現代デザイン-」の公式書籍のこと。
※関連記事「LONG LIFE DESIGN 2 祈りのデザイン展」in 渋谷ヒカリエへ
※公式ページ「LONG LIFE DESIGN 2 祈りのデザイン展」

 先日公式書籍が手元に届きました。真坂人形の「なまはげ」と一緒に書籍が置かれています。ディープな秋田感がジワジワ伝わってきませんか。
 ブックデザイナーの小口翔平さん(tobufune)に素敵な装丁&本文デザインを作っていただいて本当によかった、としみじみ思いました。

 上記写真はD&DEPARTMENT株式会社の代表であり、書籍の著者でもあるナガオカケンメイさんが書かれたもの。ページ見出しの

地域が残したい祈りたちを
楽しくショップにする。
誰でもが立ち寄り、
その様子を手に取れる。

という言葉は、温かな感じが伝わってきて、これから私たちが目指すべきイメージに近いのかもしれないと思いました。また「絵本」という言葉に、3年分の取材の中で聞き取った、風変りで奇妙なお話を集めた「道祖神の絵本」もやってみたいと着想を得ました。

 会場には、他にもneccoさんにデザインしていただいた「人形道祖神キーホルダー」「人形道祖神Tシャツ」がありますので、手に取ってじっくりご覧いただけます。 

6種類のキーホルダー。台紙は「悪疫退散!」のお札としてお使いいただけます。
様々な種類の中のうち「小雪沢のドジンサマTシャツ」
小松さんご家族が着用!カワイイ!
先日はSNSで「人形道祖神ポストカード」を全種類お買い上げいただいた方の投稿を発見しました。道祖神の魅力が伝わったかも!?ととても嬉しかったです。

「LONG LIFE DESIGN 2 祈りのデザイン展 」
会期/ 2020年12月 4日(金) – 2021年2月22日(月)※会期が延長されました
時間/ 12:00〜20:00(最終入館19:30)※水曜休
場所/ d47 MUSEUM(03-6427-2301)
料金/入場料:ドネーション形式(会場受付)
事前申込/ 不要

2つめ、
先日の大学での講演についてアツイ!フィードバックを頂きました

 2つめのご紹介は、昨年12月に秋田県立大学の本荘キャンパスにて講義させていただいたこと。学生の皆さんからたくさんの感想レポートが届きました。

 「厳しいご意見もあるのでは、しかしそれはそれで受け止めよう」とドキドキしながら拝見しました。すると励みになる言葉が多く、ええ!?と。講義を依頼してくださった同大学の建築環境システム学科の准教授・込山 敦司さんによると、「(学生のみなさんから届いた)感想レポートはわりとポジティブなことが書かれているようです。私のゼミ生は結構辛口のレポートも書くので本当に印象に残ったんだと思います。」
 細かなことまでしっかり聞いてくださったり、講義の中でお伝えしたリサーチのコツをご自身に積極的に取り入れようとする様子が伝わってきたりし、とても嬉しく、下記に抜粋して(一部要約も)ご紹介いたします。

「郷土史研究家とイラストレーターのコラボレーションが興味深い」

「毎年村の住人の手で作り変えられることに驚いた。毎年違った顔や形になるのでその年ならではの神様が出来上がるのが面白い」

「歴史的書物から調べること、そして現地の生の声を聞くこと、そして直感的な調査を含めて、道祖神の調査方法をこれからの研究等に役立てていきたい」

「道祖神は集落の人々のコロナに対する不安などに対して心の支えとなっていると感じた。建築でもそのような機能をこれからも果たしていきたい」

「人形道祖神の話を聞いて、自分の地域でも伝統行事が受け継がれていることを思い出した。」

「今回講義の中でリサーチのコツも紹介され、素人目で取材を行うことの楽しさを感じることができとても参考になった。」

「何かを調べるときのポイント:自分なりの着眼点や興味から、理解を広げる。
持っている知識や性質が全く違う二人で取材をすることで相乗効果が生まれている。」

「小松と宮原の、2人の違った観点からの講義がとても面白く、興味深い」

「私の地元でも『さいのかみ』行事がある。今回の講義でその行事の意味を知ることができたので、また地元で参加したいと思う」

「人形道祖神の制作は地域の交流を深める一つの大きな手段であるため、続いていってほしい」

「専門の知識がなくとも、自分の感性に響いたことを徹底的に調査しているという事に驚いた。」

「人形道祖神は村(共同体)のシンボルである。さらには、『住民が一丸となって定期的に道祖神を作ることに意味がある』と知った。」

「講義全体を通して人形道祖神の愛嬌や作る人の生活が伝わって来て実際に人形道祖神を見てみたいと思った。」

「伝統的な造りの建物や歴史ある建物のように、集落を守る人形道祖神もその土地の風土として守っていかなければならないと思う。」

「雪解け後の道祖神は一冬越してやつれ果てているので作った後に見に行くのがオススメらしい。」

「宮原は専門家ではなくイラストレーター。取材では、専門外の人ならではの質問ができる点や、それに伴いで予想外の答えが返ってくるという点がメリットである。私は建築を専門としているが、今後専門外の人と関わっていく中で、自分とは異なる視点からの意見を大切にし、成長につなげていきたい」

「講演で紹介された『サイノカミ行事』は、地元のものと異なる内容だったので不思議に思った。それぞれのサイノカミが行われるようになった理由や名前の由来などをもっと詳しく調べたい」

「調査をする際は何か『とっかかり』を見つける。疑問を持つことで自分の興味が湧いてくる。」

「プロジェクトを進めるにあたり、全く違った要素を持った二人が協力し補い合うことが重要。」

「自分なりの『とっかかり』を作ることでリサーチに対するモチベーションにつなげるという話は今後の研究や仕事でも活かすことができるのではないか」

「あらかじめ用意した質問だけをするのではなく,日常の会話もすることで,予想していなかった情報や現地の方からすると当たり前でも他の地域では当たり前ではないようなことも教えていただけるのだと感じた。風土を理解するにはそういった何気ない会話の雰囲気やポロリと出る本音などから得られる情報も大切だと思う。」

「秋田県というとなまはげのイメージが強い、道祖神という面白い文化について聞けたので良かった」

「紹介された道祖神の近くが地元だが、その存在に気付けていなかった。地域自体にもっと興味を持ち、学びを深めていく必要があると感じた。」

 上記は一部だけのご紹介なのですが、すごくないですか!?さらには「人形道祖神に対する『愛』がとても伝わってきました。」というお言葉を頂戴し、感激のあまり悶えました。

 学生の皆様、そして込山先生、この度は熱い感想レポートをありがとうございました!今後もリサーチ力をさらに身に着け、少しでもご参考になるように、よりクリエイティブな観点でお話できるよう精進いたします。

3つめ、
書籍「鍾馗百図」にご紹介いただきました

 最後に「鍾馗百図」(竹浪比呂央ねぶた研究所)のご紹介です。同本では青森市のねぶた師・竹浪比呂央さんが描いた100枚の鍾馗の絵が掲載されています。昨年はコロナ渦で青森ねぶた祭が中止になりました。そこで「新型コロナウイルスの消滅終息を」「祭は無くとも、ねぶたの灯は消さない」という願いを込めて100枚の絵を制作されたそうです。
 「鍾馗百図」に寄稿された江戸川大学社会学部教授の阿南透さんの「日本の民俗のなかの鍾馗」の中で、秋田の「ショウキサマ」と私たちの活動についてご紹介いただきました。

末野のショウキサマを撮影する小松さん(宮原撮影)

 「ショウキサマ」つながりで、青森が誇る「ねぷた祭り」とご縁をいただけたことが大変光栄でした。阿南様、お声を掛けてくださりありがとうございました。

 ねぷたの鍾馗と共に「悪疫退散!」の願いを込めまして、このたびのご報告を終わりとさせていただきます。

 改めて、「人形道祖神」の世界はどこまでも広がりと可能性を感じる大変奥深い世界なのだと思いました。これも皆さまに興味を持っていただき、コラボさせていただけたからこそです。ありがとうございました。
 そして思わず長文になってしまいましたが、最後までブログにお付き合いくださった皆さま、ありがとうございました。

Writerこの記事を書いた人

投稿者:宮原 葉月
イラストレーター 宮原 葉月
広告・書籍・雑誌でイラストを描く。 「LOWELL Things」(ABAHOUSE)とのコラボバッグ、 シリーズ累計49万部「服を買うなら捨てなさい」(宝島社) 装画等を担当。 http://hacco.hacca.jp Twitter @hatsukimiyahara