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スライド&トークショー「大きなカシマサマと小さなニンギョウサマ」in湯沢市三梨町

投稿者:宮原 葉月 投稿者:宮原 葉月 宮原 葉月

秋田県の南に位置する湯沢市には、バラエティーに富んだ人形道祖神がたくさんいらっしゃいます。現・湯沢市は2005年、湯沢市・稲川町・雄勝町・皆瀬村が合併しできたもので、其々独自に育まれた文化が集約されているからです。

旧湯沢市には岩崎のカシマサマ、旧雄勝(おがち)町にはオッペチや三ツ村のカシマサマ、そして旧稲川町と旧皆瀬村にはニンギョウサマが点在しています。

昨年ニンギョウサマの作り替え取材で大変お世話になった、湯沢の観光や歴史、文化等の情報を発信されている奥田さんと阿部さんがお声を掛けてくださり、湯沢市三梨町(旧稲川町)にてスライド&トークショー「大きなカシマサマと小さなニンギョウサマ」が開催される運びとなりました。

会場の旧稲川町はニンギョウサマの聖地。そして今回の講演は「稲川ガイドの会」や「ゆざわジオパークガイドの会」の方々が来られる勉強会とお聞きしました。大きなプレッシャーでつぶれそうに。

講演当日、緊張をほぐそうと、会場の近くで「三梨(みつなし)牛」という知る人ぞ知る最高級和牛の焼肉ランチを食べました。飼育の規模がとても小さい為、他県にはほぼ出荷されない貴重なお肉です。ちなみにこの地域の名産には「稲庭うどん」や「川連(かわつら)漆器」もあります。

美味しいお肉を頂きましたので、気合い充分に会場へ。

この部屋が会場です
控室でゆざわジオパークガイドの会のみなさまと情報交換。
「昨年湯沢の『かしま館』での講演に行けず、今回とても楽しみにしてました」とのこと。
スライド&トークショーにますます気合いが入ります

開演の14時前には、たくさんの方々に集まってきていただきました。

フォトブック『皆瀬川式道祖神』
会場では皆様がニンギョウサマ(旧皆瀬村)の写真集を熱心にご覧になっています
同フォトブック「皆瀬川式道祖神」はニンギョウサマの写真を集めたもので、2019年に開催したスライド&トークショーの特典で作りました。現在一般販売はされておりません。

ちなみに書籍「村を守る不思議な神様2」にて、ニンギョウサマ・マップとより詳しいイラスト一覧が掲載されています 。「若畑のニンギョウサマ(湯沢市皆瀬)」の章では、ニンギョウサマを作る村の様子や風習、取材で出会った作り手の方にお話を伺い、印象深い当時の様子をご紹介しています。

スライド&トークショーでは、北は大館から県央の大仙までの人形道祖神をご紹介した後、息抜きコーナー「最新・かわいい道祖神ベスト3」を経て、この日のメイン・湯沢の人形道祖神紹介コーナーへ。今回はわかりやすく「湯沢における人形道祖神の魅力」を最後にまとめてみました。

小松さんによると、講演中は皆様の熱い視線を感じていましたが、湯沢のシーンでは「会場のボルテージが一気に上がるようだった」そうです。
また質問コーナーでは、
「ワラの神様と石の神様では、ワラの方が先ですか」というニンギョウサマの聖地ならではのご質問や、「『鹿島様』という名称は、鹿島神宮がある常陸国から江戸時代に移封した佐竹氏に関係があると説明しているが、これは正しいのか」などガイドをされる上での疑問を頂きました。

講演が無事終わりました。すると書籍やポストカード等の販売コーナーに沢山の方々が来てくださり、話が弾みます。小松さんは皆様と熱い握手を交わしていましたよ。またスライドの中で「道祖神イラスト」についてお話しさせていただき、皆様にカラフルなイラストを面白がっていただけたことを感じました。とても嬉しく思いました。

他にも、昨年取材させていただいた元小安のニンギョウサマを作られている阿部さんや、以前「アーツセンター秋田」のみなさんと一緒に取材した「川連の百万遍こけし」でご挨拶した方々とも再会することができました。「楽しかったー!」と朗らかにおっしゃっていただき感無量です。

懇親会にも参加させていただきました。
滅多にお会いできない方々とたくさんお話しさせていただき大変有意義な時間でした。出稼ぎのお話、世界の信仰、個人的に「秋田のカラスミ」だと思うとても美味しいキノコの漬物など、話は尽きません。

なんとカシマサマのこけしが!大・中・小の3種類。写真は小・中。

「なぜ顔が赤いのかずっと不思議で、今日講演にやってきました。やっと理由がわかりました」とこけしコレクターのAさんが、スッとカシマサマのこけしをみせてくれました。カシマサマのこけしがあることは知っていたのですが、実物と遂にご対面できました。かわいい。

最近東京など県外からカシマサマを見に来られる方が増えた、とお聞きしました。もっともっとたくさんの方々に見に来て頂けるように、皆様と力を合わせていけたらと思いました。

Writerこの記事を書いた人

投稿者:宮原 葉月
イラストレーター 宮原 葉月
広告・書籍・雑誌でイラストを描く。 「LOWELL Things」(ABAHOUSE)とのコラボバッグ、 シリーズ累計49万部「服を買うなら捨てなさい」(宝島社) 装画等を担当。 http://hacco.hacca.jp Twitter @hatsukimiyahara