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来年に向けて。能代市二ツ井の小掛のショウキサマ

投稿者:宮原 葉月 投稿者:宮原 葉月 宮原 葉月

秋田もだいぶ寒くなりました。市内はそろそろ雪シーズンに入りそうです。
先日、小松さんと能代市二ツ井の小掛のショウキサマを見に行きました。

上記の写真は、 小松さんが 男神の祠に貼られている「女神の祠への行き方マップ」をみている様子。最近では小掛集落のショウキサマを見に訪れる方が増えているそう。(ちなみに同地では「女神」ではなく「女体」と言うみたいです)

こちらは女神。
個人的に小掛のショウキサマの風貌が大好きで、人形道祖神の魅力にハマったきっかけになりました。ズングリムックリのボディ、手がボワボワで長く、そして御足が大変短いお姿が素晴らしい!

小松さんに「宮原さん、絵を持ってください。女神と一緒に写真を撮りましょう!」と撮影してもらいました。恐れ多くもどきどきして写真に収まりました。嬉しさが表情に出てしまっていますね。

実はこの日、来年首都圏の某所に小掛のショウキサマをお連れすることができないか(ご無理ない範囲で、いろいろ方法をご相談させていただきながら)、小掛集落の区長・Nさんと長老のKさんにお会いしました。

お二人には、小松さんが2年前の取材で大変お世話になりました。
当時の取材の様子はこちら(2種)
→ 書籍「村を守る不思議な神様」
「60年ぶり、ショウキサマ生まれ変わる」
 ( 秋田魁新報デジタル版・小松和彦コラム「新あきたよもやま」 )

今から新たに神様を作る場合、材料が果たして揃うのか、Kさんにお聞きすると「雪が降る前だから大丈夫」とのことでした。しかし、老人会の皆様が集まって作れるかどうかは別問題。制作には何日もかかるので大変な作業です。

またKさんは「他でもショウキサマを作ったことがあるが、メンテナンスも大事。ほったらかしはいけない。」杉の葉は時間が経つと緑から茶色になってポロポロ落ちてしまうのだそうです。芯の部分は十数年持つそうですが、葉は腐ってしまう。「ほったらかしになってしまうのならば、戻してほしい。魂を抜いてきちんと燃やします」とおっしゃいました。

小掛集落の大切な神様。Kさんが心から心配される様子や大切にされている思いが伝わってきて、一瞬目が曇ってしまいました。

区長のNさんの資料を拝見しながら、杉の葉で覆う前のショウキサマの写真を見たり(かわいくて泣きそうになります)、「サルナシの蔓」で腕をつくるお話、「今はないから自分で作るしかないんだよ」と俵を自作の装置で作られているお話、かつて歌われていたエロティックな唄のこと、など楽しく有意義な時間が過ぎていきました。

そして、来年のお話を検討していただけることになりました。
別れ際に長老のKさんが「このような機会にショウキサマが首都圏を見物されてもいいかもしれないね」とおっしゃっていただいたことが強く印象に残っています。

小掛集落を去るとき、入口に立つ男神にご挨拶しました。

このあと、大館市大森の「アキニンギョウ」の取材に向かいました。「アキニンギョウ」をつくる大森集落の皆様もまた、朗らかでお元気。こちらが元気をいただいてしまうほどでした。つづく

Writerこの記事を書いた人

投稿者:宮原 葉月
イラストレーター 宮原 葉月
広告・書籍・雑誌でイラストを描く。 「LOWELL Things」(ABAHOUSE)とのコラボバッグ、 シリーズ累計49万部「服を買うなら捨てなさい」(宝島社) 装画等を担当。 http://hacco.hacca.jp Twitter @hatsukimiyahara