今年の活動のテーマである「再取材」。6月12日はその本命というべき行事を取材しました。美郷町本堂城跡に祭られているショウキサマ。2018年にはじめて作り替えの行事を取材し、その成果は『村を守る不思議な神様2』で紹介しました。

前回の取材では何と言っても進藤晃成さんのことが一番印象に残っています。昭和30年代から中断していたショウキサマ立てを村の融和の象徴として平成元年に復活させた進藤さん。わら人形作りでもリーダーシップを遺憾なく発揮されていました。その姿に戦国時代、この地に城を構えた本堂氏を重ね合わせたほどでした。
しかしそれから間もなくして、進藤さんはお亡くなりに。『村を守る不思議な神様2』を直接お渡しすることもかないませんでした。

カリスマ的なリーダーが亡くなられた後も、ショウキサマは地元の皆さまの手によって毎年作り続けられています。現在の行事の様子を是非拝見したい!そう思い続けて早4年、この度ついに実現しました。

朝8時からショウキサマ作りが始まりました。誰かが指示するわけでもなく、皆さんが暗黙の了解で作業に携わられています。頭部とショウキサマの胴部に使う3枚の俵と腰に巻く注連縄(帯)を制作されたのは五十嵐喜栄さん。なんと昨年の秋から準備されていたとのこと。「前は進藤さんの指示で動いていたけど、今は役割分担をみんなで決めてやっているんだ」と五十嵐さん。

ショウキサマの胴部は前と後ろを俵で挟みわらで肉付けして作ります。背面まで手を抜かずに作るのは、かつて背負って村を巡行した名残でしょうか。

スタートしてから約3時間でショウキサマの本体がおおよそ完成。ケヤキの大木の前に設置されます。

人形を固定したところでお面と冑を装着。青々とした杉の葉の髭や髪が鮮やかです。サンダワラで作った臍の上に「疫病徐札」と書かれたショウキサマのお札を納めて、完成しました。
以前はこの後、直会の宴会がショウキサマの隣で行われていましたが、2020年から新型コロナウィルス感染防止のため、自粛しているとの事。それでも人形の作り替えは中断することなく、続けられているのです。
4年前もお話を聞かせてもらった進藤敏美さんは「天国の(進藤)晃成さんも喜んでくれているだろう」とおっしゃいました。伝統を再興させたリーダーの意志を受け継ぎ、村人みんなが主役で続けられていている本堂城跡のショウキサマの行事。感動的な再取材でした。
来月は久しぶりに宮原さんが秋田へ!2年ぶりにあのコンテストにも顔を出しますよ♪