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<番外編>今年も秋田の赤い宝石!「あきた夏丸」の季節がやってきた

投稿者:宮原 葉月 投稿者:宮原 葉月 宮原 葉月

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目次
▼7月の記録的な大雨
▼動物の被害
▼収穫まっさかり
▼実際に友人に食べてもらいました!

  「今年は大雨が降って大変でしたが、なんとか美味しいスイカができました」と、秋田県横手市でスイカを栽培されている齊藤稔弘(としひろ)さんからご連絡をいただきました。

 2021年に斎藤さんのスイカ畑を取材させていただいて以来(詳細はこちら)、毎年電話インタビューでお話を伺っています。今年も興味深いお話をたくさんお聞きしたのでレポートいたします!

 斉藤さんが現在栽培されているスイカの品種は、秋田県オリジナルの「あきた夏丸」と、「あきた夏丸」と同じ特性を受け継いだスイカシリーズ(小玉や種なしのタイプ)がメイン。

「村を守る不思議な神様・永久保存版」(KADOKAWA)より

 秋田県ではこれまで「祭ばやし」など他の品種が栽培されていましたが、高温多湿の横手盆地の気候に合わせて開発された秋田オリジナルの「あきた夏丸」が2007年に、小玉スイカの「あきた夏丸チッチェ」が2015年に誕生し、両者は今や県産スイカの主力品種となっています。

7月の記録的な大雨

 昨年も秋田を襲った記録的な大雨。今年も山形県の最上川中流域や秋田県の子吉川(由利本荘市)が氾濫し、甚大な被害をもたらしました。

  「今年は雨が降る前まではとても順調でした。雪解けが早く春作業に早く取り掛かれましたし、天気もよく適当な雨も降ってくれたのですが・・・」と斎藤さん。

 大雨の影響で川が氾濫すると近くのスイカ畑が水没してしまい、全滅してしまった畑や、半分以上ダメになってしまった場所もあるそう。スイカは一度水没してしまうと市場には出せません(農家の方の自主判断により)。

 斎藤さんのスイカ畑では、雨水が多すぎて排水が間に合わないこともありましたが、なんとか大きな被害を免れることができました。

動物の被害

 今年は雨の他に、動物の大きな被害に遭いました。その動物は・・・「ムジナ」。「ムジナってわかりますか?」と斎藤さん。「タヌキみたいな・・・アナグマでしょうか」と回答しました。「そうです。ムジナが小玉を40個も食べたり爪でガリっといたずらして大変なんですよ。」

2020年に元小安のニンギョウサマを取材させていただいた際、見かけたアナグマを撮影

 「あのひとたち(ムジナ)はおいしいスイカがわかる。朝に収穫しようと思っていたスイカからご馳走になっていくんですよ」
 「これまでも食べられたことはありますが、こんな大きい被害は初めて」

 電気柵を使う方法もありますが、対策はなかなか難しい、とのことでした。

収穫まっさかり

斎藤さん提供の写真。黒いスイカは「クロオニ」

 雨やムジナと格闘しながら、斎藤さんは現在1日に300~400個のスイカを収穫されています。朝4時から夜7時まで、4~7人ほどで作業を行うそうですが、斎藤さんはスイカの検査員もされているのでてんてこまい。他の用事をする暇がありません、とポツリおっしゃっていました。

 上の写真は斎藤さんのご提供。「作業部屋で収穫したスイカを箱詰めにして出荷し、作業小屋になくなればまた収穫しての繰り返しです」と斎藤さん。

 電話でお話していると 「今は種なしのスイカ(クロオニとアカオニ)を収穫しています。午後からはチッチェ。」とお忙しい様子が伝わってきました。

 今年の糖度について伺うと、「クロオニの糖度は14度、チッチェは13度です。」とのこと。スイカの糖度は普通11度くらいですので、あきた夏丸系は甘いことがわかります。

  「全国にはいろいろ大きな種苗会社がありますが、小玉(チッチェ)の糖度やシャリ感は、今のところどこもまだマネできないだろう、とあきた夏丸を作られた先生がおっしゃっていましたよ」と斎藤さん。

実際に友人に食べてもらいました!

 今年は、大阪の友人にも斎藤さんの「チッチェ」を食べてもらいました。すると、

「とてもおいしかった。息子家族に半分あげたところ大変好評だった。生産された方や入手方法を教えてほしい(60代男性)」

「とても甘いです。端までしっかり甘くておいしい!(20代女性)」

 と大好評!

 嬉しいことに、こちらのブログを読んでくださった方からもご注文いただきましたよ、と斎藤さんから教えてもらいました。一度注文してくださった方が、おいしいと追加でご注文いただいたエピソードも。

 最後に斎藤さんの今年のお言葉をいただきましたのでご紹介します。

 「大変だった年ですけど、おいしいなあ、とあちこち言われるのが一番の力になります!」

斎藤さんはコンクール用の「カロライナクロス」も作っています!100キロになることも。

 「スイカをちゃんと作れたら一人前」と斎藤さん。誰でもスイカを作ることができますが、手間暇かけておいしいスイカを収穫することはとても難しいのです。

斎藤さんのスイカが食べたくなったら

 甘くてシャリ感が最高のブランドスイカ 「あきた夏丸」や「チッチェ」。ご参考までにネットなどの販売価格は、2個で5,000円前後が多いようです。
 この機会に是非、斎藤さんのおいしいスイカはいかがでしょうか。

斉藤農園
TEL 0182-42-0350

  • 収穫時期:7月10日~8月20日まで
  • お値段(目安):チッチェ(小玉)2個入りで2,800円※送料は別途
  • お支払い方法:お振込み
  • 注文方法:お電話または直接来園されてもOKとのこと

 

 

 

Writerこの記事を書いた人

投稿者:宮原 葉月
イラストレーター 宮原 葉月
広告・書籍・雑誌でイラストを描く。 「LOWELL Things」(ABAHOUSE)とのコラボバッグ、 シリーズ累計49万部「服を買うなら捨てなさい」(宝島社) 装画等を担当。 http://hacco.hacca.jp Twitter @hatsukimiyahara