Blog

山田のジンジョ祭りを取材しました

投稿者:小松 和彦 投稿者:小松 和彦 小松 和彦

「人形道祖神と秋田めぐるツアー」の翌25日は大館市山田のジンジョ祭り。前日の作り替えに続いて、赤坂常会(町内)の行事を取材させていただきました。

今年の宿(当番)なっているFさんのお宅では、昨日作ったばかりのジンジョサマが床の間に安置されております。お昼過ぎに町内の皆さんがお参りに訪れた後、宴会がスタート。

七つの盃に注いだ酒を大きな一つのお椀に移して飲む「八皿の儀」

直会の途中、「八皿の儀」が行われます。 『村を守る不思議な神様2』でも紹介したとおり、菅江真澄の記録にも登場する無病息災、豊作祈願の儀式です。

町内を周る赤坂のジンジョサマ

午後3時半を過ぎた頃、赤坂常会の皆さんとジンジョサマはFさんの家を出て、町内を練り歩きます。昨年同様、もうすぐ12月とは思えない小春日和でした。ここでいつも取材でお世話になっているMさんから衝撃のお話が。

「今年はぶっつけはやらないことになったんだ」

いつもは隣の町内(上名常会)のジンジョサマとのぶっつけが行われる場所。今年、上名のジンジョサマは現れなかった。

「ぶっつけ」とは隣の町内のジンジョサマと町の境界でぶつけ合う行事。ジンジョ祭りのハイライトです(昨年の様子)。今年は隣り合った町内ではジンジョサマの練り歩きがないとのこと。赤坂の皆さんも「今年は誰も来ない」、「なんか寂しい」と残念そうでした。

祠に安置された赤坂のジンジョサマ。

「ぶっつけ」が行われなかったので、練り歩きは30分ほどで終了。ジンジョサマは再び元の祠にお戻りになりました。

Mさんから「来年はぶっつけをやるよ!」という嬉しい言葉が。どうやら隣の常会は来年作り替える予定だとか。「ぶっつけ」が見られることを期待して、一年後にまた再訪したいです。

2019年の人形道祖神取材はジンジョ祭りで終了。今年もたくさんの感動や興奮がありました。書籍で取り上げていない人形道祖神については、来年、何かしらの形で発表出来たらと思っています。

【テレビ出演情報】いよいよ秋田人形道祖神プロジェクトの活動が全国放送されます!

ニッポンぶらり鉄道旅 NHK/BSプレミアム 2019年12月12日(木) 午後7時30分午後8時00分 【再放送12月14日(土) 午前7時45分 ~午前8時15分/12月19日(木)午前12時30分午後1時00分】

今回はなんと10月に取材した吉田のワラニンギョウの作り替えの様子も放映されます。詳しくは次回のブログにて。

Writerこの記事を書いた人

投稿者:小松 和彦
郷土史研究 小松 和彦
工芸ギャラリー・小松クラフトスペース店主 『秋田県の遊廓跡を歩く』(カストリ出版)、 『新あきたよもやま』(秋田魁新聞デジタル版) などを執筆。 http://www.komatsucraft.com/ Twitter @Komatsucraft