11月22日(土)、23日(日)の両日、秋田公立美術大学で「みんなで作る・ショウキサマ&ヤマハゲ復活プロジェクト」が開催されました。前回のブログでも紹介したとおり、秋田銀行様の協力を得て秋田公立美術大学と秋田人形道祖神プロジェクトが企画いたしました。学生や教員、有志の皆さんが集落の方々の指導を受けながら人形道祖神を作り替える「人形立て」と、秋田市雄和に伝わる来訪神行事に使う面や衣装制作に取り組むという前例のない試みです。
嬉しいことに、二日間とも30名を超える多くの方にご参加いただきました!地元秋田県内はもちろん、青森、岩手、山形といった隣県から、そして遠くは東京からも駆けつけてくださった方も!人形道祖神や来訪神といった秋田県の民俗行事への関心の高まりを肌で感じることができました。本当にありがとうございます!熱気に包まれた二日間の様子をダイジェストでご紹介しましょう。

11月22日、午前10時に美大本棟(アトリウム棟)に集合し、開会宣言とともに作業がスタート!参加者は屋内チームと屋外チームに分かれて活動しました。末野集落からは、斉藤繁さんをはじめとする6名の方々が指導のために参加してくださいました。屋外チームでは、繁さんが音頭を取り、まずショウキサマを横たえて丁寧に解体。そのあとは、いよいよ新しい注連縄(しめなわ)作りです!図書館前の桜の木の枝を使い、5、6人がかりで太く立派な注連縄を編み上げていきました。伝統的な作業の力強さに、参加者からも「こんな風に作っていたのか」という驚きの声が上がっていました。

屋内では、「藁の会」の松橋敬子さんが藁細工の指導を担当。主に美大の学生さんたちが挑戦しました。まずは藁の余分な部分を取り除く「しべ取り」という下準備から。そして、続いて円形に編む「サンダワラ」作りに挑戦しました。さらに繁さんの指導のもと、ショウキサマの体を覆う「タラ(俵)編み」も。初めは慣れない手つきだった皆さんですが、時間の経過とともに手仕事の奥深さにすっかり没頭!黙々と手を動かし続ける様子が印象的でした。

ショウキサマの顔作りにも学生さんが参加しました。特に、ショウキサマの表情を決定づける仕上げの墨入れは、秋田美大の鎌田ひかるさんが担当してくれました。人形道祖神に深い関心を持つ鎌田さんは、実は昨年の末野のショウキサマ作りにも見学に来られていました。美大生の手によって命を吹き込まれたショウキサマは、以前にも増してキリッと男前な表情になりました!
こうして第一日目の作業は、予定通り午後3時に終了しました。実は、当日は雨の予報が出ていたのですが、心配をよそに会場はまさに「秋晴れ」というに相応しい晴天!末野集落で7月第一日曜日に行われるショウキサマの祭りでは、「ほとんど雨に降られたことがない」という晴れのジンクスがあるのですが、なんとこのジンクスが美大のキャンパスでも効いたようです!

二日目も午前10時からスタート。この日は「藁の会」の松橋さんはご用事があり欠席されました。しかし、前日にヤマハゲのケラの作り方を指導してもらった学生さんたちが、誰に言われるでもなく黙々と作業を続けているではありませんか!その姿を見て「美大でこの企画ができて本当に良かった」と感動しました。

そして、いよいよショウキサマの組み立てが終わり、胴体を立ち上げる工程へ。末野集落では見慣れた光景かもしれませんが、美大の構内に巨大なショウキサマが立ち上がる様子は、改めてその迫力に圧倒されます。注連縄を力強く腰に巻き付け、最後に仕上げの頭を据えて……ついにショウキサマが完成しました!

ちょうどその頃、屋内チームで制作していたヤマハゲのケラも完成!残念ながら面はこの日のうちに仕上げることはできませんでしたが、松橋さんが制作してくださったサンプルの面を被ってもらい、いざお披露目です!巨大なショウキサマと、異彩を放つヤマハゲ。「村を守る不思議な神様」たちが並び立つ、まさに夢の競演が実現しました!

お昼過ぎに全ての作業を終え、閉会式へ。最後の締めくくりとなる挨拶は、末野集落の斉藤繁さんが務めてくださいました。
今年、末野のショウキサマは全国放送で紹介されることが決定しています!詳細については、後日改めてこのブログで詳しくお伝えしますので、どうぞお楽しみに!

今回のイベントは、人形道祖神・来訪神の継承のあり方を模索する取り組みとして開催いたしました。予想を遥かに上回る大きな反響があり、参加された多くの方々から「面白かった!」「ぜひ、実際の人形立てにも参加してみたい!」といった熱い感想をいただくたびに、民俗行事には多くの人を引き付ける魅力があることを強く実感しました。そして、その継承において美術大学が大きな役割を担える可能性があることを改めて感じています。これからも、こうした実践的な企画を継続していきたいと考えています。
イベントの様子は秋田魁新報さんの紙面でも紹介されました。
今回の企画は、私が在籍している秋田公立美術大学大学院博士課程の複合芸術会議のプレイベントとして実施されました。年明けには二つの企画を予定しております。
1.秋田市雄和妙法地区のヤマハゲは、今回制作したケラや面を使い、来年1月に復活する予定です。これに向けて現在着々と準備をしております。
2.昨年度は、宮原さんとのギャラリートークや神野善治先生を招いたシンポジウムを開催しました。今年度も1月に人形道祖神関連のイベントを計画しておりますので、こちらも是非ご期待ください!
新しく生まれ変わったショウキサマは、秋田公立美術大学の本棟入口に立っています。大学にお立ち寄りの際は、いつでもご覧になることができます。
秋田公立美術大学附属図書館では現在、「アフリカのプリミティブアート展」が開催中です。これまで小松クラフトスペースが収集してきた祭祀具や布、装飾品などを展示しております。学外の方も身分証提示で入館できます。会期は当面の間(年度内?)。ショウキサマと併せて是非ご覧ください(土日祝閉館、ご利用案内はこちら)

今回のイベントにご参加いただいた皆さま、秋田公立美術大学の教員、学生、事務局の皆さま、ご協力いただいた秋田銀行様、そしてご指導いただいた末野集落の皆さま、松橋敬子さん、稲わらを提供していただいた妙法集落の皆さま、たそがれファームさん、本当にありがとうございました!
小松 和彦