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「関係人口」と人形道祖神

投稿者:宮原 葉月 投稿者:宮原 葉月 宮原 葉月

 突然ですが、「関係人口」という言葉をご存知ですか。
総務省のサイト「関係人口ポータルサイト」によると

「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉です。地方圏は、人口減少・高齢化により、地域づくりの担い手不足という課題に直面していますが、地域によっては若者を中心に、変化を生み出す人材が地域に入り始めており、「関係人口」と呼ばれる地域外の人材が地域づくりの担い手となることが期待されています。

 大阪で暮らしていると聞き慣れない言葉ですが、少子高齢化が進む秋田在住時にはよく耳にしていました。

【目次】
・関係人口と人形道祖神
・あきた関係人口会議webサイト「あきコネ」で紹介いただきました!
・『4つの集落の取材記録と人形道祖神の原画展』について
・イベント詳細

関係人口と人形道祖神

 2020年に私(宮原)は秋田を離れ、大阪から通いながら人形道祖神の取材を行うようになりました。
 メインビジュアルのイラストを担当したことがきっかけで今年2月に開催されたイベント『あきた無形民俗文化財万博~カタチなきたからもの~』へ参加した際、私たちの活動を知ってくださった秋田県庁のFさんが「大阪から秋田へ、人形道祖神の取材でやってくる宮原は関係人口に値するのではないか」と評価してくださいました。

 個人的な活動としてやっていましたので、・・・人形道祖神を祀る地元のみなさんがとても魅力的なため、「会いたい、面白さを伝えたい、好きな絵で表現していきたい」というライフワークの一環として・・・まさか「関係人口」とつながるとは驚きでした。
 身に余る光栄でドギマギしてしまいます。Fさん、ありがとうございました。これからも変わらずコツコツ活動を続けてまいります。


あきた関係人口会議webサイト「あきコネ」

 先日の秋田出張旅で秋田県庁のFさんがインタビューしてくださり、「あきた関係人口会議 Webサイト“あきコネ“」にて、11月に開催されるイベント「新・秋田の行事in大館2023」内の「不思議な神さま館」についてご紹介いただきました。

 Webサイト「あきコネ」では、秋田県内で多くの「関係人口」に関する活動が行われていること、地元の農産物を販売するマルシェやマタギを知るためのツアー、東京や大阪への出張カフェ活動など、多岐にわたる様子をご覧いただけます。
 その中で、私たちの活動を下記に掲載していただきました。
【あきたの物語】ワークショップ参加者募集!「秋田人形道祖神プロジェクト@新・秋田の行事in大館2023」



『4つの集落の取材記録と人形道祖神の原画展』について

 上記Webサイト「あきコネ」でご紹介いただいた展示『4つの集落の取材記録と人形道祖神の原画展』について、この場をお借りしてお伝えさせていただきます。
 11月11日(土)・12日(日)に開催される「新・秋田の行事in大館2023」では、これまで地域ごとに異なる行事の風景や人々の思いをリサーチし、50点(線画含む)以上の絵で表現した作品を発表いたします。わたくしのライフワーク「地元の方々の魅力を、県内外広く伝えたい、面白く、わかりやすく!世界に通用するクールな表現で!」でございます。

 わたくしが毎回熱心に地元の方にお話をお聞きするので、取材中「宮原さん、これだけは伝えてほしい。」と地元の方がおっしゃるほど馴染んできた感があります。う、嬉しい・・・!今後もしっかり記録しお伝えしていきたい。

 手描き文字のゆるさがよい感じに仕上がってきています。(現在鋭意制作中)


「人形作り替え行事で行われる驚きの「きりたんぽ」のお供え方法、六本木の美容院で働いていた「成田静子さん」と人形作りの物語など、地域に深く入り込んで関わり続けるANPならではのトピックスです!」(サイトより)

 展示のイメージとしては、今年2月のイベント『あきた無形民俗文化財万博~カタチなきたからもの~』で行ったギャラリートークを基盤としています。大きな手ごたえを感じることができたので(会場の雰囲気やアンケート結果から)、今回大館でバージョンアップしてやってみたく、さらに踏み込んだ内容へ挑戦いたします。

(1)山田「ジンジョ祭り」(大館市)
 山田集落にある8つの常会(町内)にジンジョサマ(地蔵様)と呼ばれるワラ人形が男女一対で祀られています。高齢化のため伝統行事「ジンジョ祭り」の継続が年々難しくなる中、昔ながらのやり方で続けようとされる地元のみなさんの熱き姿を追います。

(2)大森「人形祭り」(大館市)
 村社・薬師神社の境内にニンジョサマと呼ばれる等身大のワラ人形が3体並んで祀られており、各人形はジイサマ、アネサマ、ムスコと呼ばれています。
 人形祭りを取材中、ニンジョサマの「手」を作る1人の女性と出会いました。女性の人生が大森の人形祭りへ交わっていく様子をご紹介します。

(3)中羽立「人形祭り」(大館市)
 ニンギョウサマと呼ばれる等身大のワラ人形が集落の上、中、下の3カ所に祀られています。
中羽立集落には今は亡きワラ細工の名人がいました。ご家族や弟子の方々の証言を交え、名人が作ったワラ細工と「人形祭り」の心温まるエピソードをご紹介。

(4)末野「鍾馗(しょうき)立て」と「鹿島流し」(横手市大森)
末野集落の入口、上溝川に架かる橋のたもとに約3.8mのワラ人形・ショウキサマが祀られています。15軒と小さな集落にも関わらず、毎年大きなショウキサマをつくるため集落のリーダーが奮闘する姿、そして集落全体の皆さんの意識が変わっていく様子をご紹介します。

 ANPギャラリートークは11日(土)に2回、12日(日)に2回を予定しています。ワークショップのご案内も近々予定しております。どうぞお楽しみに。

イベント詳細

●名称:伝統芸能の祭典「新・秋田の行事 in 大館2023」
●日時:2023年11月11日(土)~12日(日)
●場所:ニプロハチ公ドーム(大館樹海ドーム)
●内容:伝統芸能公演、観光展、ワークショップ 等
●主催:新・秋田の行事実行委員会、秋田県、大館市
●お問い合わせ先:「秋田県文化振興課」018-860-1529、「大館市観光課」0186-43-7072

熱いお祭りがたくさん!ご来場をお待ちしております!

 

Writerこの記事を書いた人

投稿者:宮原 葉月
イラストレーター 宮原 葉月
広告・書籍・雑誌でイラストを描く。 「LOWELL Things」(ABAHOUSE)とのコラボバッグ、 シリーズ累計49万部「服を買うなら捨てなさい」(宝島社) 装画等を担当。 http://hacco.hacca.jp Twitter @hatsukimiyahara