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秋田人形道祖神プロジェクトができるまで

投稿者:小松 和彦 投稿者:小松 和彦 小松 和彦

小松が人形道祖神を調べ始めるきっかけになったのは、2017年7月、能代市二ツ井町小掛で60年ぶりに行われたショウキサマの作り替え行事を取材(※)したことです。以前から気になっていた村境に祀られている男女の鬼神。村人たちが受け継いできた摩訶不思議なそのお祭りに小松は大いに感動しました。この時に取材した内容は、秋田魁新報デジタル版のコラムで二回に渡り連載しました。
2017年秋、五城目町でのアートプロジェクトを通じて知り合った小松と宮原。この時、小松から聞いた秋田の人形道祖神の話は宮原にとってとても印象深いものでした。

表現者として何かやりたいけれど、対象を見つけられずにいた宮原。「人形道祖神」という言葉が降りてきた時、「これだ!」と確信しました。いずれまた秋田県内の人形道祖神をリサーチして文章を書いてみたいと思っていた小松と意思が合致。夏までに本を出すことを目標に取材が始まりました。

今年の春から本格的な取材がスタート。できるだけ年に一度、集落の人たちが道祖神を作り替えるというその日に合わせて取材しました。それは人形道祖神と地域の人々との繋がりが一番よく垣間見られる日だからです。
作り替えの日にちは春から秋にかけて地域によってバラバラですが、田植え前の春は最も多い季節です。夏までに本を仕上げる為、取材できるのは約2か月間。道祖神の作り替えの日にちに同じエリアの道祖神を効率的に回る計画を立てて取材を行いました。
取材には半日以上時間を費やすことも。人形道祖神を守り継いでいる方々に直接お話を聞けたことは、本を作る上で貴重な経験になりました。

※秋田魁新報デジタル版にて小松が連載している「新あきたよもやま」
「60年ぶり、ショウキサマ生まれ変わる」

Writerこの記事を書いた人

投稿者:小松 和彦
郷土史研究 小松 和彦
工芸ギャラリー・小松クラフトスペース店主 『秋田県の遊廓跡を歩く』(カストリ出版)、 『新あきたよもやま』(秋田魁新聞デジタル版) などを執筆。 http://www.komatsucraft.com/ Twitter @Komatsucraft