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北観音堂からの嬉しいお便り

投稿者:宮原 葉月 投稿者:宮原 葉月 宮原 葉月

 先日は秋田県最大の人形道祖神・田代沢のカシマサマの作り替え行事が行われました。なんと「マスク」姿のカシマサマだとか!緊急事態宣言のもと、私たちは取材を控えており見に行くことができませんでしたが、 詳細を知りたくてたまらず、電話取材をさせていただこうかと話しています。

 さて、先月1通のお手紙が届きました。
 書籍「村を守る不思議な神様2(以下、村2)」内の「北観音堂、上小曽野のオニョサマ」の章にてご登場いただいた高橋さんからです。毎年11月に行われる北観音堂の「オニョサマ立て」を取り仕切っていらっしゃる方です。

 お手紙には「『村2』を読みたいので送ってもらえないか」と書いてありました。お恥ずかしい話ですが、取材時に高橋さんの住所をお聞きすることを失念し、お送りできていませんでした。(すみません、、、)
 なんでも昨年のオニョサマ立ての際、若い男性が見学に来られ、その男性が手にしていた「村2」をご覧になり、ずっと気になっていたとのこと。急いで高橋さんに「村2」をお送りいたしました。

 お手紙は続きます。北観音堂ではワラを編める方がいなくなり、10年前から作り替えがなされず、杉の葉を取り替えるだけになっていました。
 なんと「来年こそは作りたい」とおっしゃっていた高橋さんが、ついに動かれたとのこと!「思い切って先輩が残してくれた資料を参考に自分でどこまでできるか挑戦してみました」とありました。

 試行錯誤された結果、角(つの)や手足、前掛け、腰蓑を作り上げられたそう。またおっぱいやおへその小さい桟俵づくりは納得いくまでもう少しやってみたいとのこと。お手紙を読み進めるうちに私もドキドキしてきました。

 「肝心の胴体が残っているのですが、これも時間があればなんとかなるかもしれません」などいくつか課題はありますが、そう遠くない先にオニョサマの作り替えを拝見できる日がくるのではないか、ととても嬉しく思いました。

 後日高橋さんから書籍の御礼として、「家にあるものを食べてもらおう」と、大切に育てられたお米「ちほみのり」と、高橋さんが燻され奥様が漬け込んだ「いぶりがっこ」を頂戴しました。早速頂いてみると、いぶりがっこの味の濃さに驚きました。何より高橋さんのお心遣いがとても嬉しく、少し目に水分が・・・

 お手紙には「あんなに詳しく書いていただき、おどろきと感激でいっぱいです」という大変光栄なお言葉がありました。取材させていただき本当によかったと思いました。

 今年11月に行われる「オニョサマ立て」に伺い、高橋さんから色々お話をお聞きしたいところですが、果たして秋頃までに新型コロナウイルスは収束されているのか、皆目見当がつきません。思いは募るばかりです。

Writerこの記事を書いた人

投稿者:宮原 葉月
イラストレーター 宮原 葉月
広告・書籍・雑誌でイラストを描く。 「LOWELL Things」(ABAHOUSE)とのコラボバッグ、 シリーズ累計49万部「服を買うなら捨てなさい」(宝島社) 装画等を担当。 http://hacco.hacca.jp Twitter @hatsukimiyahara