Q
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“カシマサマ”“ショウキサマ”“ニオウサマ”などさまざまな名称があるのはなぜですか?

A4.民間信仰の神様だからかもしれません。

カシマサマは鹿島神宮の祭神である武甕槌(タケミカヅチ)大神、ショウキサマは中国の道教の神様である鐘馗(ショウキ)、ニオウサマはご存知、仏教の守護神である仁王です。これだけ名称がバラバラなのは特定の宗教に属していない、民間信仰の神様だからではないでしょうか。

いずれも悪霊から守ってくれそうな「強い」イメージの神様の名前です。カシマサマやショウキサマという名前を付けられた道祖神にはなんと女の神様もいるのです。普通では考えられませんね。

道祖神は男の神様と女の神様がペアで祭られることが多いです。最古の記録と思われる平安時代(10世紀)の文献にも男女の朱色に塗られた木像が都の道端に立てられていると書かれています。こうした道祖神のカップルに今で言うところのプロレスラーのような力強い名前を付けた結果「男まさりの女神」という不思議な神様が誕生したのです。

カシマサマという名前の人形道祖神が多く分布する横手盆地では「鹿島流し(鹿島送り)」という民間行事も盛んです。これはワラや紙などで作った鹿島人形に悪霊を封じ込めて川に流すという行事で、人形道祖神のカシマサマ作りと重複している地域もあることから、これらを一つの「鹿島行事」として関連付ける説もあります。鹿島神は地震除けの神様でもあることから、地震などの災害を防ぐ目的もあるとも考えられます。