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人形道祖神って何ですか?

A1.村境や道端にある、民間信仰の神様です。

道祖神とは村に悪霊や疫病などの災いが入ってこないようにと村の境界や道端に祭られる民間信仰の神様で「塞の神(さえのかみ)」とも呼ばれます。その歴史は古く、平安時代の文献にも登場します。村境や道端にあることから、転じて旅の神様になる事もあります。松尾芭蕉の『奥の細道』の序文には旅に出たいという芭蕉自らの気持ちを「道祖神のまねきにあひて、取るもの手につかず」と表現しています。

道祖神の多くは男女の神様が彫られた石碑や文字碑、男性器をかたどった石造物などの形で全国にみられますが、東北、関東、北陸の一部では木やワラなどで作った人形の形態で祭られる例があります。これらを民俗学者の神野善治さんが人形道祖神と名付けて分類されました。

ちなみにこの人形道祖神は地域によって姿かたちや性格は様々。「必ずしも道祖神とは言えないのではないか」という意見もあるため、民俗学では人形神と呼ばれることが多いのですが、私たちは神野さんが人形道祖神と名付けたものを取材の対象にしていること、人形神という言葉のイメージが抽象的であることから人形道祖神という名称を使い、我々のユニット名「秋田人形道祖神プロジェクト」に使用しています。