Blog

「オニョサマって何?」という疑問にお答えします

投稿者:小松 和彦 投稿者:小松 和彦 小松 和彦

10月6日(日)、樫食堂さんで開催される『秋のオニョサマめぐり&スライドトーク』 までいよいよあと3日。明日から秋田県内は雨が降る予報ですが、6日は晴れるようです。秋晴れの中で「オニョサマウォーク」を楽しみたいですね。

太田町杉元のオニョサマ。当日の「オニョサマウォーク」ではこちらにも訪れる予定です。

当日、樫食堂さんが提供される昼食はなんと「オニョサマ弁当」なのだそうです!どんな内容かは当日のお楽しみ。いっそイベントのタイトルを「オニョフェス」にすれば良かった・・・

オニョサマについては以前こちらでも書いたことがありますが、改めてご説明します。秋田県内には130カ所以上の集落に「人形道祖神」がまつられていますが、樫食堂さんがある大仙市の斉内川流域はまさに密集地帯。車を走らせると「500メートルに1つ」の間隔で見つけることができます。

豊川上水無のオニョサマ。仮面をつけた木像の形態でまつられている。

オニョサマとは「お仁王様」が転訛したもの。オニョサマ、またはニオウサマと呼ばれる人形道祖神は秋田県内では仙北市、大仙市の旧中仙町、太田町に多く分布しています。

その形態は

①ワラ人形 ②木像 ③お面 ④石塔(文字碑)

の4つですが、ほとんどが③の「お面」です。これらのお面は本来ワラ人形の頭部に被せるために作られたもので、実際、①や②の頭部にもお面が被せられています。

宮原さんが「イケメン道祖神NO1」に選出した豊川北観音堂のオニョサマ。ワラ人形の頭部に高橋市蔵(円満造)が彫った見事な面が被されている。

なぜ、ワラ人形が作られなくなって面だけがまつられるようになったのか、その背景には明治~大正時代に行政の指導でオニョサマをまつることを禁止されたことが影響しています。その結果「面さえあればいつでもワラ人形が立てられる」という風習が生まれました。その件については『村を守る不思議な神様』でも触れておりますが、トークイベントでもお話いたします。

上小曽野のオニョサマ。「オニョサマウォーク」では最初に訪れる予定。この面にまつわる様々な逸話についても当日お話しいたします。

斉内川流域のオニョサマを取材するたびに感じるのは「仮面文化が生きている」こと。これまで西アフリカや東南アジアなどで仮面文化のある地域を訪ねたことがありますが、ここまでリアルに信仰の対象となっている例は見たことがありませんでした。まさに世界的なプリミティヴアート先端地帯です。

第一作目の『村を守る不思議な神様』では「斉内のオニョサマ」、『村を守る不思議な神様2』では北観音堂と上小曽野のオニョサマを取り上げました。10月6日のスライドトークショーは『村を守る不思議な神様2』で取り上げた人形道祖神を中心にご紹介しますが、「オニョサマ」のパートを大幅に増やした再編集バージョンでご覧いただきます。ぜひお誘いあわせの上、ご参加ください。

『秋のオニョサマめぐり&スライドトーク in 樫食堂』

2019年10月6日(日)11:00~16:00

会場:樫食堂(秋田県大仙市太田町斉内字北開208-1)

電話:080-3336-4192

特別ゲスト・岡林立哉(馬頭琴・ホーミー奏者)

料金:2,000円(軽食代込み)

※小学生以下は無料(お食事をご注文される場合は別途料金がかかります)

・プログラム

11:00~「オニョサマウォーキング&ライブ」
樫食堂から出発し、周辺に点在する人形道祖神「オニョサマ」を秋田人形道祖神プロジェクトのガイドで訪ね歩く。オニョサマの前で馬頭琴&ホーミー奏者・岡林立哉による演奏も。

12:30~ 樫食堂でランチ

13:00~ 秋田人形道祖神プロジェクトによる「秋田人形道祖神めぐりpart2・スライド&トークショー」(オニョサマ特別編としてスライドの内容を編集しました)

15:15~ 岡林立哉・投げ銭ライブ

16:00 終了

※途中参加、途中退席も可能です

ご予約は樫食堂(080-3336-4192)まで

Writerこの記事を書いた人

投稿者:小松 和彦
郷土史研究 小松 和彦
工芸ギャラリー・小松クラフトスペース店主 『秋田県の遊廓跡を歩く』(カストリ出版)、 『新あきたよもやま』(秋田魁新聞デジタル版) などを執筆。 http://www.komatsucraft.com/ Twitter @Komatsucraft