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ANPの東京出張記

投稿者:宮原 葉月 投稿者:宮原 葉月 宮原 葉月

1泊2日で東京へ出張しました。その内容を 時系列にレポートします。
人形道祖神研究の第一人者、神野善治先生の展示「手のかたち 手のちから」を観に行くため東京へ向かいます。

1日目

東京へ出発。久々の飛行機です。

羽田空港での秋田発着便は遠い所に搭乗口や到着口が設定されています。バス移動は勿論のこと、タラップを使うこともしばしば。秋田に来られる際は、早めの移動がおすすめです。

朝ラーで品川のシロマルベースに行く。秋田には好みのとんこつラーメンがなく、久々のとんこつ風味を噛みしめます。

品川駅に到着。念願の豚骨ラーメンを頂きます。東京は人が多く、距離感を取り戻すのに少し手間取ります。

品川から国分寺へ。武蔵野美術大学に向かいます。大学へ行くバス停がなかなかみつけられませんでしたが、どんな小さな人形道祖神でも見つけ出す小松さんの驚異的な調査力のおかげで、バス停を発見、1時間に1本のバスに乗ることができました。

武蔵野美大の『手のかたち 手のちから』を見にきました。神野善治先生にお会いしましたよ。圧倒的な量の体のパーツが徹底的に整理されている様子が印象的。今週21日(土)まで。図書館も海外のアート本が豊富で学生に戻りたくなります。

大学に到着。木が多く静かな環境です。門からまっすぐ行った先の美術館へ向かいます。現在開催中の『手のかたち 手のちから』を拝見しました。途中神野先生がいらして、なんと先生から解説を受けることができました。
なかでも「人形浄瑠璃」の原点と考えられる淡路や阿波の「エビス廻し」のお話が、人形道祖神に被る部分もあり印象的でした。

40代の頃の神野先生
後ろには今は亡き八峰町大信田のショウキサマと、中羽立のニンギョウサマ。

また別室の展示会場に足を踏み入れると「あれ、中羽立のニンギョウサマではないか」と思われる道祖神がいました。以前武蔵野美大の学生さんが同ニンギョウサマを模して作ったそう。なかなかそっくりです。

写真の手は「末広町のカシマサマ」「松原のニンニョサマ」のもので、ANPがお借りしているものを神野先生の展示に使っていただきました。他にも、今年青森で開催されたねぷたの「腕」が数本展示されています。神野先生がご自身でトラックで運んできたそうです。「泊まる宿がなくてどうしようかと思ったけれど、青森は便利だね、温泉センターという所があるんだよ」と明るくおっしゃいます。今年度で退官されますが、信じられないほどパワフルなお方。

なつかしい学食の雰囲気

お昼は学食で神野先生にご馳走していただきました。先生と古くから親交されている沼津からいらしたご夫婦とご一緒いたしました。先生は昔「漁船」について深く研究されており、そのエピソードが自由で豪快。他にも民俗学者になられた経緯や子どもたちと縄文土偶を作って焼いたときのエピソードなど、楽しくて笑いが止まらず、しばらくお話に興じました。その後神野先生が構想から携われた大学の図書館を案内していただきました。羨ましくなるほどのアート本がずらり並んでいます。民俗学、世界の工芸、海外のアート本・・・・・渦状の設計で、分類が直感的で探しやすい。

神野先生と。

来年は神野先生が秋田にいらしてくださるかもしれません。
帰りもバスで国分寺駅に向かいました。生憎の雨でしたが、吉原にあるカストリ書房さんに向かいます。

かもめブックスさんでの展示風景

小松さんと「秋田の遊郭跡を歩く」を共著された渡辺豪さんにお会いしました。同書がまもなく完売するので、増刷の方法を二人で相談していましたよ。
2軒目は津軽三味線の民謡酒場で民謡と津軽三味線を存分に楽しみました。生の音は迫力が物凄く、心にダイレクトに響きます。津軽の吹雪の光景を頭に浮かべながら演奏を聞くと、胸にくるものがありました。

昨晩は念願のカストリ書房さんへ。夜は民謡酒場で津軽三味線を間近に聞き、その迫力にびっくり。福島や北海道の民謡を聞き、東京に来たのに東北へ戻った感が不思議でした。

ライブ終了後、席まで挨拶に来てくださった「第29回津軽三味線全日本金木大会」で優勝された(かなり凄いことだそうです)山中裕史さんにみんなで質問攻め。小松さんや渡辺さんというプロの取材陣が揃っていますので質問のレベルが半端ないですが、山中さんは的確に答えてくださり、おかげで質問はさらに増えていってしまいました。山中さん、真摯にご丁寧に回答してくださりありがとうございました。
帰りはタクシーで鶯谷へ。山手線の駅ですがこじんまりしています。上の写真は駅からみた光景。皆大満足で帰宅しました。

2日目

恵比寿のあふりでお昼を。秋田にはない味。比内地鶏の澄んだープがなつかしくなる。小松さんと秋田に戻ってからの動きを確認。これから銀座へ。

都内某所で小松さんと待ち合わせ。この度10月末から1か月間開催されるイベントを担当させていただくことになり、会場に足を運びました。後日打ち合わせさせていただき、ふと気づけば2時間半もの綿密な内容に。秋田に戻ったらどんどん動かなくては。

本日打ち合わせの合間に念願の『大高 亨 テキスタイルアート展』に行ってきました。大高さんの助けがなければ、『村を守る不思議な神様2』ができなかったかもしれません。
ストライプやドットの新しい感じたが素敵です。銀座の巷房・1で21日(土)まで。

小松さんからよく大高先生のお話を伺っておりました。素敵なテキスタイルをこの目で拝見することができとても嬉しかったです。大高先生はとても朗らかで背が高い。秋田の男性は背が高い人が多いです。
ちなみに「村を守る不思議な神様2」で登場する荷八田の神様と引き合わせてくださったのが大高先生です。

本日の打ち合わせが無事終わりました。楽しかったです!念願のギネスビールを飲む小松さん。

この日最後の打ち合わせが終わりました。当初はとても緊張しましたが、終始朗らかな雰囲気の中、人形道祖神についてたくさんお話しさせていただきました。

写真はこの後最終便で秋田に戻る小松さんの姿。これからやるべき大切なことがたくさんあります。二人で手分けしたりそれぞれ得意分野を活かし力を合わせてやり遂げていこう・・・と思いながら、美味しそうにギネスビールを飲む小松さんを見つめていました。

11月に再度東京に来る予定です。この度の出張は東京中を駆け巡りました。楽しかったです。

Writerこの記事を書いた人

投稿者:宮原 葉月
イラストレーター 宮原 葉月
広告・書籍・雑誌でイラストを描く。 「LOWELL Things」(ABAHOUSE)とのコラボバッグ、 シリーズ累計49万部「服を買うなら捨てなさい」(宝島社) 装画等を担当。 http://hacco.hacca.jp Twitter @hatsukimiyahara