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土偶の文化財指定解除について思うこと

投稿者:小松 和彦 投稿者:小松 和彦 小松 和彦

村を守る不思議な神様2』では「縄文土偶」に関する宮原葉月さんのコラムを見開き2ページで掲載している。これは人形道祖神の取材途中に立ち寄った博物館で見た縄文時代の土偶や岩偶から宮原さんが特に印象に残ったものをセレクトし、イラストで紹介するコーナーだ。私は監修を担当している。「威嚇するアリクイ」、「縄文のプライス人形」など、宮原さんならではの視点が面白い。

「大湯ストーンサークル館」の土偶(縄文後期)

いずれこのブログでも縄文土偶に関する記事を書いてみようと思っていた矢先、秋田魁新報にこんなニュースが報じられていた。

縄文の土偶、県の文化財指定を解除 都内在住者に所有権移転

北秋田市の高森岱遺跡から出土した縄文晩期初頭の遮光器土偶(秋田県指定文化財)が都内在住の人に所有権が移り、文化財指定が解除されたというもの。 この土偶、遮光器土偶の初段階の特徴を持ち、日本各地の縄文土偶の優品を展示した『土偶・コスモス展』(Miho museum、2012年)に出品され、その公式図録にも写真が大きく掲載されている。

※この記事を掲載当初、「文化財の指定解除によって万が一、この土偶が市場に出たら」といった私個人の雑感を以下に書きましたが、関係者の方から「事実と違う」というご指摘を受けました。指摘を受けた箇所だけ変更し、掲載することも考えましたが、十分な取材をして書いた文章ではなく、関係者の方々にご迷惑をおかけする事にもなると判断し、削除することにいたしました(2019年9月3日)。

湯沢市出土の土偶(レプリカ)

現在、小松クラフトスペースで開催中の『宮原葉月と秋田人形道祖神展』は残すところ1週間となりました(9月7日まで)展示されている絵と動画にくぎ付けになるお客様もたくさんいらっしゃいます。ぜひ足をお運びください。

Writerこの記事を書いた人

投稿者:小松 和彦
郷土史研究 小松 和彦
工芸ギャラリー・小松クラフトスペース店主 『秋田県の遊廓跡を歩く』(カストリ出版)、 『新あきたよもやま』(秋田魁新聞デジタル版) などを執筆。 http://www.komatsucraft.com/ Twitter @Komatsucraft