秋田の人形道祖神が石川県金沢市に初上陸します!
『村を守る不思議な神様 人形道祖神の世界 ~イラストレーター 宮原葉月 個展』が3月15日(土)より金沢市民芸術村 PIT5アート工房(石川県金沢市大和町)で開催されます。
これまで描きためたカラフルでポップな人形道祖神の絵画の他に、秋田や震災後の能登をフィールドワークし制作した作品を発表します。
目次
・展示のきっかけ
・4つのゾーンで構成される展示
(1)秋田人形道祖神ゾーン (2)秋田伝統行事ゾーン
(3)能登の来訪神ゾーン (4)四国タヌキ伝承ゾーン
・イベント開催
ギャラリートーク / ワークショップ(ミニ・サンダワラで魔除けづくり)
・展示詳細(会場のご紹介:赤レンガ造りの旧紡績工場倉庫群)
展示のきっかけ
この度展示の声をかけてくださったアート工房ディレクターの寺西 由佳さんは、偶然秋田人形道祖神の公式サイト(neccoさん制作)をご覧になり、人形道祖神のカラフルな世界にハマってくださいました。
「書籍『村を守る不思議な神様~永久保存版』(KADOKAWA)を読みました。挿絵をみるのが楽しくて」 「金沢で人形道祖神の絵をみてみたいと思いました!」
寺西さんのお言葉に感激し、展示を喜んでお引き受けいたしました。金沢に人形道祖神の魅力をお伝えしていきたいです!
4つのゾーンで構成される展示
(1)秋田の人形道祖神ゾーン

木やワラでできた民間信仰の神様「人形道祖神」を、カラフル&ポップに表現します。20~30点ほどの絵が大集合。新作も登場します。
最近は描き方が変化し、より迫力が出てくるようになりました。絵の具をひっかきながら色を積み上げていく荒々しく細かな手法をお楽しみください。
※秋田の人形道祖神とは?についてはこちら
※人形道祖神一覧はこちら

他に秋田各地をフィールドワークした作品も発表します。人形道祖神を祀る集落へ足を踏み入れていくような感覚でお楽しみください。
下記の3つの作品が大きな3面の壁で展開します。すべて手描きの作品です
・「巨神を作る小さな村の古老の話」(秋田県横手市)
・「神饌のきりたんぽと、六本木の美容師トマトちゃん」(秋田県大館市)
・「秋田の奇祭『ジンジョ祭り』伝統と改革」(秋田県大館市)
ちなみにこれまで『ARTS & ROUTES~あわいをたどる旅』内の『幻の泥塑天子を探して』(秋田県立近代美術館、2020)、『新・秋田の行事 2023』(ニプロハチ公ドーム、2023)、キヤノンギャラリー50周年企画展「奇想民俗博物館 まつりと」展(キャノンギャラリーS、2024)でこのような作品を発表し好評を博しました。
(2)秋田の伝統行事ゾーン

2023年から始まった「秋田県×わらび座」による秋田の伝統芸能が一同に集まるイベント「あきた無形民俗文化財万博」。
これまで同イベントで制作したイラストの原画を展示いたします。デザイナーの伊藤さんのお力によって
「宮原さんの絵を使ったポップなデザインによって民俗芸能の敷居が低くなり、ファミリーなどたくさんの方が来てくださいます」
と先日わらび座さんに喜んでいただいた自信作です。竿燈やささらなど秋田の伝統行事をポップ&カラフルに表現した世界をお楽しみください。
(3)能登の来訪神ゾーン


「金沢の展示なので、石川県の民俗行事も作品として発表したい」とディレクターの寺西さんに相談したところ、「行きましょう!」と即断即決。金沢から能登へ、3時間をかけて車で向かいました。
昨年は地震で中止され、今年2年ぶりの開催となった「面様年頭」(輪島市輪島崎町)と「アマメハギ」(能登町秋吉地区)をフィールドワークし、現在作品を制作しています。(絵も文字もすべて手描き)
能登の復興は進んでいますが、元の状態への復帰はまだまだ遠く、規模を縮小しながら行事を執り行うみなさんの姿を追いました。
「今あの階段つぶれてるから。あの階段をいつもよう面様が通ってるけど、もう行けんし」
「メンサマネントー!」


「アマメが来たら元気もらうよね。」
「そうやな。元気もらう、それやね。」
アマメハギが訪れた家の主の言葉です。
子どもの神様が家々を練り歩くと、集落が朗らかな空気に包まれる様子が印象的でした。
今回の企画を打診した際に、秋田のナマハゲを取材したことのある宮原さんから、能登の来訪神も取材したいと希望があり、フィールドワークを行うことにしました。事前に調査を進めていくと、あれよあれよと能登の魅力にハマっていった宮原さん、取材の最中「能登面白い!」と笑顔で叫んでらっしゃいました。
移動の際に震災の様子も伺いながら、輪島市と能登町2つの行事について取材と見学をさせてもらいました。震災後初めて行われる行事についての地元の方々の想いや昔の思い出、これからの行事継続と、復興の願いを込めた宮原さんの新作です
(展示チラシ「ディレクターからひとこと!」より)
(4)四国のタヌキ伝承ゾーン

昨年7月に琴平文具店(香川県仲多度郡琴平町)で行われた「真・四国タヌキ学」展は、ご好評いただきロングラン開催となりました。
1000以上のタヌキの伝承が四国に存在するといわれています。阿波の狸合戦で有名な金長タヌキや松山城を守る隠神刑部など4カ所のタヌキについて、四国の魅力を発信しているシコックさんと一緒にフィールドワークを行いました。四国の不思議な世界をお楽しみください。
イベントも開催!
ギャラリートーク

わたくし宮原が展示作品への思いや制作過程、人形道祖神・アマメハギなどの行事をみるときのポイントを解説いたします。何年も民俗行事を追いかけているからこそ、お伝えできることがたくさんあります。ワークショップと一緒にお楽しみください。
詳しくは金沢市民芸術村のインスタより詳細が告知予定です
3月15日(土)・16日(日)13時~(30分程度) 参加費無料
ワークショップ

直径15cmほどのミニ・サンダワラを作ります。
サンダワラは米俵のフタに使われるもので、人形道祖神の世界ではおへそやおっぱいとして使われます。上手な人が編むとふっくら厚みが出てきます。
魔除けとしてお部屋に飾っていただけます。今回のワラは能登中島町の農家さんのもの。この機会にぜひ稲ワラに触れてみてください。
詳しくは金沢市民芸術村のインスタにて詳細が告知予定です
3月15日(土)・16日(日)10時~/11時~/14時~ (30分ほど)
村を守る不思議な神様 道祖神の世界
イラストレーター 宮原葉月 個展

3/15(土)〜24(月) 10:00-17:00
金沢市民芸術村 PIT5アート工房
〒920-0046 石川県金沢市大和町1-1 TEL:076-265-8300
金沢駅からおよそ1.6km。アクセスはこちら
金沢市民芸術村はもともと大和紡績株式会社の工場でしたが、金沢市がその敷地を買い取り、赤レンガ造りの旧紡績工場倉庫群の建物を改修。現在の市民のための芸術活動の場となりました。大きな空間と天井の無数の梁が特徴で、趣きが感じられる空間です。
下記の写真は今回の展示会場。広々とした空間を神様たちが埋め尽くします!


