Q
11

村(集落)にとって人形道祖神はどんな存在ですか?

A11.村のシンボルであり、心の拠り所です。

私たちは年に一、二度行われる人形道祖神の作り替えの日(祭り)に取材することが多いのですが、それは道祖神と集落の人々の繋がりが一番良く垣間見れる日だからです。

この祭りの日には村内の家からだいたい一軒につき一名参加することになっており、出来た後は簡単な神事を行って直会(なおらい=祭りの後の宴会)となるのですが、これだけ人が集まるのは神社のお祭りを含めて年に2、3回(もしくはこの日だけ)という話をよく聞きます。みんなで一つの人形を作ることが、お互いの親睦を深める大切なイベントになっているのです。

秋田県はご存知の通り少子高齢化が全国一のペースで進み、これは人形道祖神を祭る地域においても深刻です。現在人形の作り手はほとんどが60~70代で後継者が少ないという問題も。その一方で、若い人が人形道祖神作りを復活させた払田地域といった例もあります。

科学が発達した現在でも悪霊から村を守ってくれる人形道祖神は今でも人々の心の拠り所であり、村のシンボルでもあります。取材先で「村の人口が減ってもこの行事だけは消したくない」という長老の話を何度か聞きました。こうした人形道祖神の今の姿を紹介していきたいと思っています。